Quantcast
Channel: いづつやの文化記号
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4029

アートに乾杯! 数の少ないスイカの絵

$
0
0

Img          葛飾北斎の‘西瓜図’(1839年 三の丸尚蔵館)

Img_0001     葛飾北斎の‘西瓜と包丁’(小布施 北斎館)

Img_0004     速水御舟の‘西瓜図’(1923年)

Img_0002     山口蓬春の‘オランダ皿の静物’(1957年 松岡美)

夏になると美味しくいただいているスイカ、好きな食べ物のことになると家族でも友人でも話がはずむし、とびっきり美味しかったときのことをよく覚えている。海外では01年トルコ旅行をしたとき、イスタンブールのホテルで食べたスイカのことが忘れられない。

国内だと広島に9年住んでいた時、山陰に出張した際よく買っていた山陰の大栄町(鳥取県)の大きなスイカ。とにかく甘い。このスイカはこれまで食べたなかではベスト1、横浜に帰ってから一度電話で注文し送ってもらったが、やはり最高の味だった。

リンゴや葡萄とちがってスイカの絵は数が少ない。知っているのはわずか4点。うち2点は葛飾北斎(1760~1849)が描いたもの。ひとつは三の丸尚蔵館にある‘西瓜図’、これは幸いにも2度みる機会があったが、もう1枚小布施の北斎館が所蔵する‘西瓜と包丁’は何年か前北斎館を訪問したとき展示されてなかった。

二つのスイカはともに薄い半紙が被せられ包丁も一緒に描かれている。静物画なら包丁は要らないはずだが、この包丁があるため、スカイが口に入るまでの時間の流れが思い起こされる。そう、こうやって大きなスイカをまな板において包丁で半分に切り、またその半分に切って、三角になったスイカをてっぺんからかぶりつく。小さい頃は塩をかけていたが、今はそれはしない。

速水御舟(1894~1935)の西瓜は拙ブログ(07/8/12)でとりあげたときは未見だったが、翌年平塚市美で開催された回顧展で運よくお目にかかることができた。この形は真っ二つという感じがしないが、美味しそうにみえる。山口蓬春(1893~1970)はレモンを横におき小さなスイカを描いた。静物画のモチーフのイメージが強く、食欲はあまり掻き立てられない。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4029

Trending Articles