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Channel: いづつやの文化記号
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二度目の‘円山応挙展’!

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Img_0001          ‘楚蓮香図’(1786年)

Img_0003      ‘朝顔図’(1784年 相国寺)

Img_0002     ‘雲龍図屏風’(重文 1773年)

Img     ‘七難七福図巻’(重文 1768年 相国寺)

現在、‘円山応挙展’を開催中の根津美は地下鉄銀座線の表参道駅で下車して徒歩10分くらいで到着する。慣れ親しん道順だがひとつ難点がある。地下鉄から地上に上がってくるまでに傾斜のきつい階段があり、これがだんだん辛くなってきた。中国人観光客を必ずみかけるPRADAの前をすぎるころようやく呼吸が元にもどってくる。

展覧会が日曜美術館で紹介されたことが人気に拍車をかけているようで、館内は大勢の人で賑わっている。お目当ては後期(11/29~12/18)にでてくる作品。‘楚蓮香図’は図録をざっとみて過去にみたものかなと思っていたが、目の前に現れたのは別ヴァージョンだった。ちょっと腰を曲げた楚蓮香が蝶々と遊んでいる姿に今回いっそう惹きつけられたのは着物の柄や色彩が格別綺麗だったから。3点みたなかでこれが一番いい。

‘朝顔図’はサントリー美で公開された鈴木其一の‘朝顔図屏風’(メトロポリタン美)を思い浮かべながらみていた。背景の色が冴えないが朝顔ひとつ々の描写を単眼鏡でみると流石、応挙は写生の達人、という感じ。花のなかからでてくる光のとらえかたは其一同様、じつにリアルで印象深くうつる。

後期に登場した‘雲龍図屏風’は応挙展には欠かせない作品でキラーピースといっていい。この金色の龍と対面するのは四度目、数ある龍のなかでフリーア美にある俵屋宗達の龍とこの龍に200%魅了されているので息を呑んでみていた。

前期のとき、なぜか二階の展示室にあった‘七難七福図巻’をみないで帰ってしまった。電車のなかで図録をながめこの図巻どこにあった?と合点がいかなかった。これまで開かれた企画展はすべて一階で完結していたので二階まで展示が続くことをまったく思いつかなかった。この日もTVに出演した学芸員がちょうど前にいたので展示されている場所を聞いた。

出品リストを手にもっているのに絵と向かいだすとこれを忘れてしまうのでこういうミスをしてしまう。でも、過去の回顧展で前期にひろげてあったところはみていたため救われた。‘七難’の場面で食い入るようにしてみたのは突然現れた大蛇からみんなが大慌てで逃げるところ。実際にはこんな大きな蛇はいないだろうが、心理的にはこれほど巨大で怖かったにちがいない。


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