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Channel: いづつやの文化記号
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幻の国宝 可翁の‘寒山図’が目の前にあらわれた!

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Img_0001   可翁の国宝‘寒山図’(南北朝時代 14世紀 サンリツ美)

Img_0003     周文の‘望海楼図’(重文 室町時代 15世紀)

Img     ‘玳皮盞天目’(重文 南宋時代 13世紀)

Img_0002     ‘唐物茄子茶入 銘 紹鷗’(重美 南宋時代 13世紀)

6月にみどりがめさんから教えてもらったサンリツ美の‘禅宗と茶の湯の美’展(7/10~9/4)をみるため長野県の諏訪湖までクルマを走らせた。東名の海老名JCTから圏央道に入り八王子JCTで中央道に合流、カーブの多い中央道を走るのは10年ぶりくらいなので慎重に運転した。

諏訪ICは甲府からすぐのイメージだったがこれは大きく狂った。諏訪湖は少し走ると名古屋と長野の分岐点というところだった。走っているうちにだんだん記憶がもどってきたが、家を出てから2時間半でサンリツ美に到着。この美術館のすぐ向こうがガレのコレクションで有名な北澤美、以前来たときのことがすっかり消えており、ずっと先だったような気がした。

サンリツ美は本阿弥光悦の国宝‘白楽茶碗 銘 不二山’をみるために一度訪問しているが、今回のお目当ては可翁の国宝‘寒山図’、この絵の存在はだいぶ前から知っているが、これが服部一郎が所蔵していたものとは知らなかった。服部家と記されていたがサンリツ美と結びつかなかった。だから、この絵がこれまで展覧会にでたという情報がなく個人が所蔵するものなので、残念だが一生縁がないだろうと思っていた。

ところが、みどりがめさんの情報ではじめて公開されることがわかった。国宝に指定されたのが昭和27年(1952)、それ以降一度も展示されたことがないのか不明だが、幻の国宝ということだからそうなのかもしれない。とにかくお目にかかれるチャンスが巡ってきた。すぐ諏訪湖行きを決めた。

可翁は14世紀の前半に活躍したといわれる日本の禅僧画家だが、詳しいことはわかっていない。図版では気づかないのが寒山の頭の髪と足にはいているぞうりの墨の色、すごく濃い。水墨画をたくさんみてきたが、こういう強い墨の色はなかなかみれない。そして、寒山の立ち姿がとてもいい、これまでみた寒山ではこれが一番ぐっとくる。一生の思い出になりそう。

ほかの出品作で足がとまったのが周文の山水画と茶碗の外側と内側にべっこうをイメージさせる黄斑が浮かぶ‘玳皮戔(たいひさん)天目’、そして唐物茄子茶入‘銘 紹鷗’。この美術館の所蔵品はよその美術館で行われる展覧会にほとんどでてこないのでコレクションの全貌がつかめないが、2回の経験からすると質の高い名品が揃っている。満ち足りた気分で館をあとにした。

なお‘寒山図’は前期(7/10~8/2)のみの展示で、‘白楽茶碗 銘 不二山’は後期(8/4~9/4)に登場する。

みどりがめさん、情報ありがとうございました。お陰様で‘寒山図’がみれましたので、国宝絵画の追っかけは終了となりました。


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