趣味というのはそれに費やす時間やお金、そして情熱に違いはあるが、長く続けていくと生活のなかでそれが安全基地みたいなものになっていく。絵画鑑賞も気がつけばほかのことにチャレンジするとき調子を整えるルーチンプラクティスの役割を果たすようになっている。
わが家では毎日といっていいほど図録や画集をながめている。そのなかでページをめくると気持ちがよくなるのがお気に入りの画家、ダリ(1904~1989)もそのひとり。マドリッドに滞在したとき、国立ソフィア王妃芸術センターへ寄ろうと思っていたのはダリに再会しプラスαの作品を期待していたから。でも、これは時間がなくて実現しなかった。残念!
秋の楽しみにしているのがダリ展(9/14~12/12 国立新美)、チラシをみると最大規模の回顧展になるようだ。作品はフィゲラスのガラ・サルバドール・ダリ財団、ソフィアセンター、そしてフロリにあるサルバドール・ダリ美のものが中心、サプライズの作品がたくさんありそうな予感がする。
そして、来年4月にはオランダ・ロッテルダムにあるボイマンス美のコレクション展が開催される。目玉はブリューゲルの‘バベルの塔’だが、期待しているのがもう一つある。それはここが所蔵するダリ、画集に6点も載っている。以前から気になっている作品だが、ツアー旅行ではロッテルダムを訪問することはないのでこの美術館は遠い存在だった。
ところが、世の中なにがおこるかわからない。なんとボイマンス美のコレクションが日本にやって来るという奇跡が起こった。このなかにブリューゲル、ボスとともにダリの‘眠り’,‘戦争の顔’、‘スペイン’が入っていることを強く望んでいる。夢は叶うだろうか?