久しぶりに府中市美を訪れ開催中の‘動物絵画の250年’(3/7~5/6)をみてきた。府中市美へ着く前にいつもひとつの選択がある。京王線の東府中駅で下車したあとバスを待つか歩くか、どっちにするか、今回はバスが出る5分と35分の中間あたりに電車がついたのでバスに乗ることにした。
動物を描いた絵を集めた展覧会は2007年にもあった。題して‘動物絵画の100年 1751~1850’、だから今回はその続編、作品の数は166点、前期(3/7~4/5)と後期(4/7~5/6)で半分ずつ展示される。8年前の構成がどうだったか忘れたが、いい絵がいくつもあった。
こういうテーマの場合、作品を描いた画家の格や知名度はゼロクリアにしたほうがいい。作品の魅力を決めるのは描写のおもしろさや珍しさ、並んだ作品をみると主催者の思いがよく伝わってくる。こんなおもしろい描き方をした動物の絵があるんですよ、是非みてください!そんな感じ。
宋紫石(1715~1786)の‘鯉図’にすぐ反応した。若冲が鯉の絵を描くとき胴体の一部を画面から消えさせるのはこの絵の影響ではないかと。鯉は全部で6点でてくる。
虎は収穫があった。それは原在明(1778~1844)、富士山を描いたいい絵がある絵師でインプットされているが、こんな迫力のある目をした虎も描いていたとは。体をすこしよじらせて水に映った自分の顔をみるポーズがなかなかいい。忘れられない虎になりそう。
今回の大発見は円山応挙(1733~1795)の‘芭蕉と虫図’、この絵が飾ってある部屋に入り、遠くからみて、ああ、ここにも若冲がある、それは楽しみ!と思った。順番にみていき絵の前に来た。するとこれを描いたのは応挙とある、ええー!?これ応挙の絵、応挙と若冲が墨の絵でコラボしているとはまったくイメージできなかった。
狗子を描いたものは前期4点、後期5点、長沢蘆雪(1754~1799)の最近発見されたという‘狗子蓮華図’がとてもいい。応挙でも蘆雪でも狗子の絵をみると心が和む。
この展覧会、みる前は後期はパスでもいいかなと思っていた。でも、そうもいかなくなった。図録をみると後期にも鑑賞欲を刺激する作品がいくつも登場する。とくに興味をそそるのが若冲の‘河豚と蛙の相撲図’、これは楽しみ!