横浜そごうで開催中の‘円空・木喰展’(2/7~3/22)を楽しんだ。円空(1632~1695)はそごうと縁が深い。10年前にも円空展を行っており、このときは155体が展示された。今回は木喰(1718~1810)とのコラボ、全部で81体でている。
円空をまとまった形でみるのは3度目なので円空仏には目がだいぶ慣れてきた。やさしい顔をした仏から相当怖い不動明王までいろいろでてくる。微笑みの円空仏で最も心を打たれたのが‘観音菩薩’、説明文に観音像のなかでこれが表情の優しさでは一番と書いてあったが、確かにそのとおりかもしれない。
初見で圧倒されたのが素朴だがボリューム感あふれる‘大黒天’さん、こういう木彫をみると俄然ノミをもって山に入り似たような木を探したくなる。彫られているのは首から上だけだから頑張って手を動かすと少しは形になりそう。たぶん10分の一くらいだろうが。
今回の収穫は荒々しい彫りのあとが心にぐさっとささる‘不動明王’と‘宇賀神’、鼻がデカくて厚い唇をした‘不動明王’をじっとながめているとピカソやモデイリアーニが心惹かれたアフリカの仮面のイメージが重なってくる。
2年前、東博であった回顧展でこうした激しい感情を表現した円空仏に開眼した。野性味にあふれ怖い仏にも円空の魂が表出されている。息を吞んでみていた。