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Clik here to view. ‘ピン=ポンド・テーブル’(1998年 金沢21世紀美)
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Clik here to view. ‘サムライ・ツリー20H’(2014年)
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Clik here to view. ‘ブラック・ブーメラン’(2013年)
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Clik here to view. ‘アトミスト:ストライドを広げる’(1996年)
アートのつきあいはときどき偶然はじまることがある。そのきっかえとなるのはふと目にした作品、なにかの雑誌に載っていたX型になった二つの卓球台、その形が大変刺激的なのでぜひ見たいと思った。
今、東京都現美でこの作品が展示してある。つくったのはメキシコ人ア―ティスト、ガブリエル・オロスコ。1962年生まれで今年53歳。その名前と作品がポンピドーで購入したガイドブック(日本語版 2002年)に1点だけでてくるが、現地でみたという実感がない。だから、オロスコの作品をみるのは今回の回顧展‘ガブリエル・オロスコ 内なる複数のサイクル’(1/24~5/10)がはじめて。
作品の数は2013年にここで行われた‘吉岡徳仁展’同様、多くはないのでぐるっと回って終わり。でも、作品の多くはその色彩、造形から強い磁力がでているので心がすごく高揚する。新規のア―ティストでこれほど一点々に心地よい刺激を感じるのは久しぶり。
みた瞬間嵌ったのが最新作の‘サムライ・ツリー20H’、二色で半分々が彩られた円をじつに巧みに組み合わせる構成力に唖然としてみていた。大小の円を非対照的に連続させることで生まれるリズミカルな動きは爽快な気分にさせてくれる。この作品に対置して飾られているものもすばらしい模様。みてのお楽しみ!
この部屋の真ん中に置かれているのは‘丸石シリーズ’、川の底にある自然石に手をくわえたもので表面に彫られた不思議な模様はどこか古代のマヤとかインカの文明の遺物を連想させる。9個あり丸いへこみが目を惹く‘ブラック・ブーメラン’はそのひとつ。
X型の卓球台の周りにある作品も長くみていた。‘アトミスト(原子論者たち)-スポーツ’と呼ばれるシリーズは全部で7点。新聞のスポーツ欄の写真を拡大し、そこに赤、黄色、緑、青、白で彩色した円と楕円をいくつか重ねている。このサッカーやクリケット、ボートのダイナミックな動きと円のダイアグラムに不思議なくらい違和感がない。こんな写真と幾何学模様のコラボがあったのか、という感じ。この斬新な創作に乾杯!
いっぺんにオロスコのファンになった。