‘色絵獅子牡丹文銚子’(重文 江戸時代 17世紀後半 文化庁)
東博本館の特別5室で‘東アジアの華 陶磁名品展’が11/24まで行われていた。展示がはじまったのは3ケ月前、いずれ足を運ぼうと思っているうちに国宝展まで引っ張ってしまった。
チラシに紹介されていたもので気になっていたのが韓国の国立中央博から出品された高麗青磁‘亀形水注’、これは日本でいう国宝のやきもの。蓮台に亀が座るというユニークな造形に大変魅了された。2002年東博であった‘韓国の名宝展’ に同じモチーフのものがでたが、そのときは宝物(日本の重文)、やはり今回の亀のほうがいい。
中国のものにはこれは、というのがなかった。残念、だが、日本のやきものに思わぬ追っかけ作品がまじっていたから、国宝の高麗青磁とあわせると満足度200%になった。
1992年、東博の創立120年を記念して‘日本と東洋の美’展が開催された。このときつくられた図録は東博の図録といっていいくらい充実しており、以来これを東博鑑賞の手助けとしてき使ってきた。図録に載っている作品でもまったく記憶にないものが沢山ある。これは当時注意がおよばない作品は見れども見えず状態だったから。
それで平常展に通い国宝と重文を追っかけている。まだ全部に済みマークはついてない。そのなかの2つがひょいと目の前に現れた。3世紀につくられた‘台付壺’と奈良三彩の‘三彩有蓋壺’、とくに嬉しいのが奈良三彩。これで国宝、重文に指定されている奈良三彩は3点全部みることができた。次のターゲットは正倉院のもの。これにはまだ縁がない。
もうひとつ、心を躍らせるものがでてきた。五彩手古九谷様式の‘色絵獅子牡丹文銚子’、Myカラーが緑&黄色なので古九谷には強い思い入れがあり、この文化庁が所蔵する銚子も長年追っかけてきた。だが、なかなかみる機会に恵まれなかった。ここでお目にかかれるとは想定外。腹の底から嬉しさがこみあげてくる。青と緑の輝きを目に焼き付けた。