レンジャーズの今日の対戦相手は勝率が3割にとどかないアストロズ、だからダルビッシュは楽に勝てるだろうと思っていた。だが、実際はちょっとひやひやさせる投球内容だった。
1回の立ち上がりは簡単に3つアウトをとり、2回もしっかり0点に抑えた。が、3回に8番のドミンゲスに軽く投げた球をこちーんとレフトにホームランされた。明らかに下位打線とみて手を抜いたのが失敗のもと。そして5回に再び高校生のような顔をしたドミンゲスちゃんにまさかの2点ホームランを食らってしまった。これで2点のリードを許した。
幸い6回の表にレンジャーズ打線が爆破し6点をとり一気に勝ちゲームモードになったので、7回を投げたところでお役御免。与えたヒットは3本、三振は8つだった。これで勝ち星は両リーグトップの6勝。
今日は三振を8つしか奪えなかったが、登板した8試合でとった三振の数は合計すると80個。これはア・ナリーグあわせての投手ベスト50(防御率のいい順)のなかでは断トツの1位、同じリーグの防御率でみると上位にいるヘルナンデス(マリナーズ)が56、バーランダー(タイガース)が57なのに対し、ダルビッシュはこれを10以上も上回っている。
この奪三振ペースは1試合平均10個、大リーグは年間162試合戦うので、先発ピッチャーは30くらいの登板機会がある。怪我をしないでシーズンを通してローテーションを守り、今の調子で三振をとり続ければシーズンを終了したときに300個の記録が生まれる。
20年くらいのスパンでみるとこの300個奪三振を達成したのはジョンソン、シリング、マルチネスの3人しかいない。大投手たちの記録に2年目のダルビッシュが限りなく近づく可能性は十分にある。潜在能力の高さをみせつけはじめたダルビッシュ、そのきれがよくて美しいピッチングはレンジャーズファンのみならず大リーグを愛する多くの人々の心をわしづかみにしている。