歌川国貞の‘桜下吉原仲之町賑之図’(19世紀 川崎・砂子の里資料館)
図解 妓楼二階 ‘大吉原展’(2024年 東芸大美)の図録より
毎週みているNHKの大河ドラマ‘べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~’は終わりにそ
の回にでてきた話に関連するミニ情報(たとえば、吉原と縁の深い寺とか)
をひとつふたつ加えてくれる。歴史好きなのでこれは有難い。以前みてい
たときも同じオマケの情報があったことを思い出し、関心のあるものはメ
モしている。手を動かしスマホで写真を撮っているのは暖かくなったら吉原
があったところなどを散策しようと思っているから。
番組の翌日には話の内容をライターがSNSに投稿ししっかり解説してくれ
るので、蔦重が江戸の出版界に入りこむのにどんなバリアーがあるのか、吉原の妓楼の主たちの考え、遊女の生態の理解がぐんとすすむ。そして、これはTVの映像で立体的になった吉原の風景画とむすびつき、大勢の男たちがやって來る江戸の‘悪所’のイメージがだんだんつかめてきた。
おかげで、昨年東芸大美で開催された‘大吉原展’(3/26~5/19)でお目にかかった浮世絵がより楽しめる。主催者はこの流れを読んでいたのかもしれない。展覧会には出品されてない歌川国貞(1786~1864)の‘北廓月の夜桜’では大門(おおもん)の向こうが大賑わいなのが腹にストンと落ちる。
大門をくぐり人々が花魁道中を楽しみながら建物に沿って仲乃町を進んでいく様子が歌川豊春(1735~1814)の‘新吉原春景屏風’や国貞の‘桜下吉原仲之町賑之図’に生き生きと描かれている。そして、国貞の‘青楼二階乃図’には妓楼のなかで繰り広げられる饗宴の情景が詳細に描きこまれている。‘図解 妓楼二階’(拡大して)の説明書きをひとつ々読んでいくとおもしろい。