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Channel: いづつやの文化記号
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東博の平常展示! 日本画

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   横山大観の‘日蓮上人’(1910年)

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   富岡鉄斎の‘二神会舞’(1923年)

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   安田靫彦の‘項羽’(1916年)

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   曾我蕭白の‘松鶴人物図屏風’(18世紀)

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   狩野山雪の‘林和靖図・山水図’(17世紀)

明治以降に描かれた日本画を特別展ではなく定常の展示としてまとまった形
でみれるのは東近美と東博。特別展に足を運ぶのが多いのは東博なので、
本館向かって左側の1階の部屋に飾ってある作品を昨年から以前のように定
期的に楽しんでいる。東近美との違いは東博のほうが相対的に大きな絵が
展示されることが多いのと絵巻タイプの作品が必ず登場すること。

今回大きな収穫だったのは横山大観(1868~1958)の‘日蓮上人’。
日本画家のMy図録でもっとも数が多い大観だから、過去に行われた回顧展に
この絵が出品されてもよさそうなのに、5冊ある図録をみるかぎり載ってない。
この部屋でみた記憶が微かに残っているが、その頃は写真撮影する習慣はなか
ったからその鑑賞記録がどこにも残ってない。だから、作品の写真を図録に貼
れるのを喜んでいる。

2点でている富岡鉄斎(1836~1924)の‘二神会舞’と‘大江捕魚’を春節
で日本にやって来たと思える3人のシニア中国人が熱心にみていた。そのため
スマホのシャッターがなかなか切れず、ほかの作品を先にみてから戻ってきた
。こういう墨をベースにして彩色した絵は中国人は見慣れているから興味深か
ったのだろう。‘二神会舞’は古事記の神話を題材にしており、男は猿田彦神で
胸を出している女は天の岩戸に身を隠した天照大御神を表に誘い出そうとおも
しろい舞いを披露した天のうづめの命。
歴史画を数多く描いた安田靫彦(1884~1978)の‘項羽’は見栄えのす
る大きな絵なので、つい長くみてしまう。これらの作品は1/2から2/2まで
の展示。

この部屋の真上にあたる2階に飾られている日本画で思わず足がとまったのは
久しぶりにみた狩野山雪(1590~1651)の‘林和靖’。中幅に鶴を従え
て描かれている林和靖(りんなせい)は中国北宋の代表的詩人。右幅の西湖と
思しき景色、左幅の雪の積もった山深い庵居は橋本雅邦の山水画が頭をよぎる。
この先の角の部屋に飾られていた曽我蕭白(1730~1781)の‘松鶴人物
図屏風’も嬉しい展示。あくの強い蕭白の水墨画にずいぶんご無沙汰していたの
で新鮮な感動があった。この2点は2/16まで展示されている。


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