‘欧人日本へ渡来の図’(1929年 パリ国際大学都市・日本館)
‘犬を抱く女性と楽士’(1935年 迎賓館)
‘貴婦人と召使い’(1935年 迎賓館)
‘女調教師とライオン’(1930年 ジュネーヴ・プティ・パレ美)
回顧展を多く体験した画家は思い入れが強くなる。藤田嗣治(1886~1968)もそのひとり。2006年ようやく藤田の回顧展(東近美)が解禁になると、2008年は宇都宮美でその翌年の2009年は横浜そごう美と短期間のうちに3度も行われた。これが1ラウンドで、そのあと9年の間隔を経て2ランドがあり2018年に東京都美で決定版の藤田嗣治展が開かれた。
お陰で藤田の主要な作品はかなりの数お目にかかることができたが、2015年8月に藤田に関連する嬉しい出来事があった。迎賓館の入館に応募したら運よく当たり、藤田がパリを出発し南北アメリカ大陸の旅を終えて日本に帰って来たあと描いた銀座のコロンバン洋菓子店の天井画(6点全部迎賓館の所蔵)のうち2点と遭遇した。すでに回顧展でみた2点と合わせると4点と縁があった。残る‘犬を抱く女性と楽士’と‘貴婦人と召使い’の展示の情報をチェックしコンプリートにもっていきたい。
ここ数年、年初は夏までに新幹線に乗って秋田へでかけ県立近代美術館で北国の風物詩を生き生きと描いた大作(縦3.65m、横20.5m)‘秋田の行事’をみようと計画を立てるのだが、これがどういうわけか一向に実現しない。何年か前にこの絵をとりあげたNHKの美術番組で詳しい解説を聞いて‘最高の瞬間’がおこることはわかっている。来年こそは気持ちを秋田へむけたい。
パリにまた行く機会が訪れたとき足を運ぶ美術館はアバウト決めているが、オプションに藤田が油彩と金箔により制作した‘欧人日本へ渡来の図’と‘馬の図’が楽しめるパリ国際大学都市・日本館も入れている。そして、ジュネーヴのプティ・パレが所蔵している‘女調教師とライオン’はスイス美術館巡りが実現したら対面が叶うかもしれない。