ダ・ヴィンチの‘救世主キリスト’(1500年頃)
モネの‘サント=ドニ街,1878年6月30日の祭日’(1878年 ルーアン美)
海外の美術館で専門家や美術ファンたちが注目する特別展が行われていることを知り、すぐにでも出かけたいという衝動に駆られることがある。あのダ・ヴィンチ(1452~1519)の回顧展が行われたときは行けなくて残念な思いをしばらく引きずっていた。2回あった。ロンドンのナショナルギャラリー(2011年11月~2012年2月)とルーヴル(2019年)。
みたいと心を大きくゆすぶった絵がどちらにも出品された。それは2017年NYであったオークションで4億ドル(450億円)という史上最高価格で落札された‘救世主キリスト’。ダ・ヴィンチの真作13点はミケランジェロの彫刻同様運よく全部みることができたので、新たに加わった‘サルバトール・ムンディ’もこの目でという気持ちは強い。でも、対面は叶わなかった。この絵は今どこにあるのだろうか。ナショナルギャラリーのチラシには個人蔵となっているが、2017年のオークションでは誰の手に入ったのか。将来、日本にやって來る?!奇跡がおこるだろうか。帆だけは高く掲げておきたい。
今年は印象派のモネの当たり年、1月から4月にかけて東京都美で行われた‘ウスター美展’にすごく魅了される‘睡蓮’が登場した。手元のモネ本にこれは載ってないので大きな収穫だった。アメリカの美術館では印象派のいい絵を存分に楽しめるが、数が群を抜いて多いのがモネ。たとえば、メトロポリタン:17点、ワシントンナショナルギャラリー:15点、シカゴ美:25点、ボストン美:9点、フィラデルフィア美:18点。これらは写真に撮ったのでモネの絵がどどっと増えた。だから、ウスター美の睡蓮に続いて、まだ縁のないセントルイス美のものがみたくなった。
ヨーロッパの美術館にあるものでみたい度がとくに高いのはルーアン美にある‘サン=ドニ街、1878年6月30日の祭日’。オルセー蔵の‘モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭’とペアでみたい絵だったが、日本にはなかなかやって来ない。どうやら出かけるしかなさそう。パリの賑やかさがはじける‘キャピュシーヌ大通り’もお目にかかりたいが、これは諦めざるをえない。