‘王妃ネフェルティティの胸像’(紀元前1340年頃 ベルリン新博物館)
‘英雄または運動選手’(紀元前5世紀 レッジオ・デイ・カラブリア考古博)
‘キマイラ像’(紀元前380~360年頃 フィレンツェ考古博)
‘バルベリーニのファウヌス’(紀元前220年頃 ミュンヘン古代彫刻館)
チェッリーニの‘フランソワ1世の塩入れ’(1543年 ウィーン美術史美)
古代エジプト旅行の最大のハイライトはエジプトの首都カイロの近くにある
巨大なピラミッドとスフィンクスの観光。それが終わると次に待っているの
がカイロの考古博物館に飾ってある‘ツタンカーメン王の黄金のマスク’。暑い
のと下痢に悩ませるのを我慢するとこれでエジプト通になれる。
エジプト好きに磨きをかけるためにはもうひとつ欠かせないピースはある。
それはドイツのベルリン新博物館にある‘王妃ネフェルティティの胸像’。西洋
彫刻の追っかけでは1912年にエジプトに中部で発見されたこのアマルナ
美術の代表作に一番前のめりになっている。左目に象嵌が施されてないこと
から王妃像を制作するための習作ともいわれる。これをみたら古代エジプト
美術は‘済みマーク’がつけられる。
1972年、イタリアの南端に近いリア―チェ村付近の海底で2体の等身大のブロンズ像が発見された。英雄あるいは運動選手とみられるこの人物像をみた瞬間、いつか本物をみたいと思った。同様に強く惹きこまれたのがフィレンツェの考古博物館にある古代エトルリア彫刻の‘キマイラ像’とミュンヘンにある古代ギリシャの‘バルベリーニのファウヌス’。どちらも大都市の博物館にあるので対面を実現させたい。
ネフェルティティ像と同じくらい鑑賞の機会を待ち続けているのが偉大なイタリアの金工家、チェッリーニ(1500~1571)がつくった‘フランソワ1世の塩入れ’。‘彫刻のモナ・リザ’と呼ばれ時価70億円以上(当時)とされる傑作だが、2003年に盗難に遭った。ちょうどこの年ウィーンを訪問したのに美術館から消えた後だったので残念ながらお目にかかれなかった。幸いにも2006年に犯人が逮捕され無事に戻った。なんとしてもリカバリーしたいと思っている。