今日は‘こどもの日’だから子どもたちを描いた絵をとりあげたい。するとすぐ
思い浮かぶのが浮世絵。浮世絵は風俗画だから美人画や役者絵、風景画だけ
でなく、子どもを描いたものもたくさんある。なかでも鳥居清長(1752
~1815)と歌川国芳(1797~1861)が子ども絵の名手。清長の
お気に入りは元気いっぱいの金太郎。一方、国芳はいろんなバリエーション
があり、みてると頬がゆるみっぱなしになる。5点選ぶのにちょっと時間が
かかった。
江戸時代になると五節句が定められ端午(五月五日)が祝日となり、男子の
健康と出世を願う祭りが行われた。国芳の絵で男の子がもっている鯉のぼり
は出世のシンボル。描かれているのは菖蒲を編んで地面に打ちつけ、音の高
さを競って遊ぶ‘菖蒲打ち’の場面。活気があり音が聞こえてきそう。
‘こどもの日’がとても楽しかった頃を思い出してみると、町内の行事で‘子ど
も相撲大会‘が行われたような記憶がある。小学校、中学校の生徒で相撲の強
いのが参加していた。大相撲が全盛のころだから大勢の大人たちも熱心に応
援していた。だから、優勝でもすると祝いの品がもらえみんなから祝福され
るのでちょっとした町のヒーローだった。‘雅遊五節句之内 菊月’をみると
相撲のおもしろさが思い出される。
‘新板子供遊びのうち ぼんぼんうた&春の遊び’、‘子供あそびのうち 川が
り’では子どもたちが家の中や外でどんなことをして遊んでいたのか生き生き
と描かれている。川の傍で女の子たちが手をつなぎ歌を歌い、それに合わせ
て男の子が上手に踊っている。家のなかでは男女一緒にカルタやすごろくで
遊んでいる。‘川がり’はすごく懐かしい。大きな亀が採れたときは嬉しくて
たまらなかった。