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Channel: いづつやの文化記号
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ミューズにとどけ追っかけ絵画! バッラ ボッチョーニ

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   バッラの‘アマツバメ’(1913年 MoMA)

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 ‘リードにつながれた犬のダイナミズム’(1912年 オルブライト=ノックス美)

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  ボッチョーニの‘都市は立ち上がる’(1910年 MoMA)

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   ‘通りは家に侵入する’(1911~12年 スプリンゲル美)

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   ‘伸縮性’(1912年 ブレラ美)

イタリアで生まれた未来派の絵画と密接に結びついているのはNYにある
近代美術館(MoMA)。1993年、上野の森美で開催された‘ニューヨ
ーク近代美術館展’でバッラ(1871~1958)やボッチョーニ
(1882~1916)、セヴェリーノ(1883~1966)が描く
濃密な色彩が印象的でスピード感とエネルギーにあふれるダイナミックな
作品に200%圧倒された。これがきっかけになり未来派に魅了され続け
ている。

MoMAは未来派をもっとみたいという‘美欲’(My造語)に現地でも応え
てくれ、2013年に訪れたときは5点くらい展示してあった。もう天に
も昇る気持ちで夢中になってみた。グッゲンハイムの未来派関連のコレク
ションは日本でも公開されたが、ヴェネツィアにあるグッゲンハイムでも
ボッチョーニやバッラが出迎えてくれた。イタリアではもうひとつ嬉しい
鑑賞の機会があったのがローマの近代美術館。未来派の地元だからご機嫌
な作品がずらっと揃っていた。

キュビスムの影響を強く受けている未来派の様式は分解されたモチーフの
フォルムを連続的に繰り返すことでスピード感や動きを強く印象づける抽象
画を生み出した。もっともみたいのがMoMAにあるバッラの‘アマツバメ
:動線と動きの反復’。次回のNY旅行でこの絵とボッチョーニの‘都市は立
ち上がる’にお目にかかれると最高なのだが、果たして。アメリカにはも
う一点みたくてしょうがないのがある。犬の足とドレスの足下が連続撮影
したようにいくつも描かれている‘リードのつながれた犬のダイナミズム’。

イタリアのミラノにあるブレラ美にはマンテーニャなど有名な古典絵画が
たくさん飾られているが、未来派もけっこう楽しめる。だが、ボッチョー
ニがキュビスムの描き方で中央に馬と騎士を描き込んだ‘伸縮性’は姿をみせ
てくれなかった。図版でもじっとみていると人馬一体となって疾走してい
る姿がイメージできるから、本物との対面が待ち遠しい。そして、ドイツ
のハノーヴァーにある‘通りは家に侵入する’も興味津々。


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