Quantcast
Channel: いづつやの文化記号
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4036

ミューズにとどけ追っかけ絵画! クレー

$
0
0

Img_20240304224101
   ‘ゼネツィオ(野菊)’(1922年 バーゼル美)

Img_0004_20240304224101
   ‘黄色い鳥のいる風景’(1923年)

Img_0003_20240304224101
   ‘大通りと脇道’(1929年 ルートヴィヒ美)

Img_0002_20240304224101
   ‘計画’(1938年 パウル・クレー・センター)

Img_0001_20240304224101
   ‘ドゥルカマラ島’(1938年 パウル・クレー・センター)

クレー(1879~1940)の大回顧展が1993年愛知県美で開催され
たときちょうど名古屋で仕事をしていたため、代表作の‘パルナッソスへ’を
みることができた。クレーとのつきあいはここからはじまった。それから
回顧展は川村記念美や東近美などで3回巡り合ったような記憶がある。最後
にみてから10年くらい経っている感じなので、来年あたりそろそろかなと
秘かに期待している。

今、頭にあるクレーの追っかけ絵画はスイスのベルン美、2005年の開館し
た‘パウル・クレー・センター’(ベルン)、そしてバーゼル美が所蔵するもの
に多く集中している。一番みたいのは‘ゼネツィオ(野菊)’。ぱっとみると
子どものお絵描きのよう。頬っぺたのピンクは女の子ならすごく上手に描く
にちがいない。これはクレー流の人物画なのだろうが、ポイントの目の印象
が人より猫とか梟のイメージ。これでずっと固定している。

スイス在住の個人コレクターがもっている‘黄色の鳥のいる風景’に魅了され
続けている。鳥の黄色をはじめとして画面全体が、豊かな色彩につつまれて
おり、森のパラダイスに紛れ込んだような気分になる。この絵と遭遇するこ
とがあるだろうか。クレーの天性のカラリストぶりが強烈に印象づけられる
のがドイツケルンにあるルートヴィヒ美が所蔵する‘大通りと脇道’。ここに
描かれているのはエジプト、ナイル河畔の輝く光景。クレーが生み出した
直球抽象画の爽やかなこと!是非みてみたい。

スイス美術館巡りの楽しみのひとつがパウル・クレー・センターの訪問。
お目当ては‘計画’と‘ドゥルカマラ島’。センターがオープンして2年後くらい
にコレクションの一部が日本で披露された。でも、残念ながらこの2点は
入ってなかった。‘計画’は画面の中央、線で描かれた人物が強い磁力を放っ
ている。そして、空想上のドゥルカマラ島で視線を釘付けにする太い黒線が
気にかかってしょうがない。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4036

Trending Articles