‘唐物文琳茶入 銘 玉垣’(南宋12~13世紀 遠山記念館)
久しぶりに東京ミッドタウンにあるサントリー美へでかけ、開催中の
‘大名茶人 織田有楽斎’(1/31~3/24)をみてきた。織田信長の弟、
織田有楽斎(おだうらくさい 1547~1621)は国宝の茶室‘如庵’を建
てた人物としてインプットされているが、どんな茶人だったのかはほとんど
知らない。だから、この特別展は関心が高く昨年春行われた京都文化博物館
のあと東京に巡回するのをしっかりチェックしていた。
東博で馴染みのある‘大井戸茶碗 有楽井戸’はいい井戸茶碗がどんと並ぶと
きは欠かせないワンピース。織田有楽斎が所持していたことから‘有楽井戸’の
名前がついている。茶入では初見の‘唐物文琳茶入 銘 玉垣’と‘唐物肩衝茶入
銘 残月’を長くみていた。茶入は小さいのにきりっと主張している形と
茶褐色の美がお気に入りで魅了され続けている。
今回の大収穫は慈照院蔵の‘緑釉四足壺’。一度みると忘れられないのが器面か
らとびでた足のフォルム。こんな強いインパクトをもった壺はみたことがない。
重文に指定されているのは即納得。そして、狩野山楽の絵が出てきたことも
想定外の喜び。正伝永源院にある‘蓮鷺図襖’を息を呑んでみていた。これは山楽
の美術本に載ってないので夢中になった。
2014年、サントリーで開かれた‘仁阿弥道八展’のデジャブがおこったのが、
再会した‘御本立鶴文茶碗’。今回も写しの元となった‘御本立鶴水指’と一緒に
出品されていた。後期(2/28~3/24)に長谷川等伯の山水画や国宝の
‘短刀 無銘 貞宗’が登場するのでまた出かけることになるかもしれない。