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Channel: いづつやの文化記号
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日本画・洋画 女の子の絵ベスト10!

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   岸田劉生の‘麗子微笑’(重文 1921年 東博)

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   黒田清輝の‘もるる日影’(1914年)

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   中村つねの‘少女裸像’(1914年 愛知県美)

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   安井曾太郎の‘孫’(1950年 大原美)

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   会田誠の‘あぜ道’(1991年 豊田市美)

今年開催された展覧会のまとめをするのはまだ早いが、西洋美術、日本美術
ともに記憶に残るいい特別展がバランスよく組み合わさった印象を受ける。
日本美術では春に東近美であった‘重要文化財の秘密’は一大イベントの様相を
呈していた。そして秋は日本美術の決定版ともいえる‘やまと絵展’が10/11
から東博ではじまった(12/3まで)。有名な‘源氏物語絵巻’など国宝が続々
登場するからわくわくする。

‘重要文化財の秘密’は明治以降の絵画・彫刻・工芸に燦然と輝く名画、名品が
ずらっと並ぶまさにオールスター日本美術展だった。実質的には国宝展をみ
たのと同じ。ここで久しぶりに岸田劉生(1891~1929)の‘麗子微笑’
と対面した。岸田劉生と青木繁がスゴイなと思うのはヨーロッパへ行ってな
いのに西洋絵画を深く吸収して、独自の表現を生み出したこと。‘麗子微笑’は
ダ・ヴィンチの‘モナ・リザ’が重なってくるし、その写実的な細密描写はデュ
ーラーの作風を彷彿とさせる。

黒田清輝(1866~1924)の主要作品となっている女の子の絵‘もるる
日影’はぱっとみると印象派のルノワールの描き方を思わせる。じっとこちら
をみつめる表情がなかなかいい。中村つね(1887~1924)がパトロン
の相馬夫妻の娘を描いた肖像画は3点お目にかかった。中村屋蔵は衣服を着
ているが、愛知県美と横須賀美のものは裸像。名古屋にいるときみた‘少女裸
像’はリンゴのよう赤い頬が目に焼きついている。

男性の肖像画や中国服を着た日本の女性を描いた‘金蓉’で知られる安井曾太郎
(1888~1955)には子どもの絵でも大変惹かれる作品がある。それ
は大原美が所蔵する‘孫’。はじめてみたとき顔も服も白一色だったので、舞妓
さんとかサーカスのピエロを思い浮かべた。色彩のもっている力の強さは
マティの色彩の革命をイメージさせる。
新潟出身の会田誠(1965~)は3歳年上の村上隆ほど前のめりになって
いるわけではないが、‘あぜ道’には200%KOされている。セーラー服を着た
女の子の髪の分け方とあぜ道をダブルイメージで表現する発想は並みのアーテ
ィストからは生まれてこない。日本にあるシュルレアリズム絵画ではこれが
No.1と思っている。


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