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Channel: いづつやの文化記号
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レンブラントと三人の女性たち!

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Img_20231009224801    ‘フローラに扮したサスキア’(1634年 エルミタージュ美)

Img_0001_20231009224801    ‘サスキアを膝に載せた自画像’(1635年頃 ドレスデン国立絵画館)

Img_0003_20231009224801    ‘水浴する女’(1654年 ナショナルギャラリー)

Img_0005_20231009224801    ‘ヘンドリッケ・ストッフェルス’(1652年頃 ルーヴル美)

Img_0002_20231009224801    

‘ベッドに横たわる女’(1645年頃 スコットランド国立美)

レンブラント(1606~1669)に関わる大きなイベントは4回あった。
その最大なものはアムステルダム国立美でみた代表作‘夜警’、京博で運よく巡
り合った‘目をつぶされるサムソン’。そして、エルミタージュにある有名な
レンブラントコレクションがみれたこと。そのなかで目を奪われたのが‘フロ
ーラに扮するサスキア’。最愛の妻、サスキアを描いたものではドレスデン
国立絵画館で遭遇した‘サスキアを膝に載せた自画像’も一生の思い出である。

映画‘レンブラント 描かれた人生’には‘夜警’が完成する前に30歳で亡くなっ
たサスキアはレンブラントが‘彼女は元気だよ’と皆に言うだけで顔を見せない。
登場するのは‘夜警’を描き上げたあと暗転するレンブラントの人生にあって
息子のティトゥスを献身的に養育してくれたヘールチェと新たに入って来た
若い家政婦ヘンドリッケ。

昨年、国立新美で開催された‘スコットランド国立美名品展‘に出品された‘ベッ
ドに横たわる女’のモデルがヘールチェ。映画での演技をみながらこの女性が嫉妬にくるいレンブラントを婚約不履行で訴え破産に追い込んだ一因をつくったといわれるヘールチェかと、思った。

ヘンドリッケが絵のモデルとなった作品で有名なのがロンドンのナショナルギャラリーが所蔵する‘水浴する女’とルーヴルにある‘バテシバ’。ルーヴルにはヘンドリッケの肖像画もある。この絵はパリでみた覚えがないが、2011年西洋美で行われた‘レンブラント 光の探求/闇の誘惑’でお目にかかった。健康的な明るい女性である。1654年、ヘンドリッケがレンブラントと暮らしはじめて5年になったとき、教会会議に召喚され、未婚での同居生活のために譴責され教会の儀式の一部から追放された。大変な苦労を強いられたが、ヘンドリッケはレンブラントの創作活動を気丈に支えた。映画をみたのでレンブラントの描いた女性につい感情移入してしまう。


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