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バッラの‘街灯’(1909年 MoMA)
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ボッチョーニの‘笑い’(1911年 MoMA)
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セヴェリーニの‘バル・タバランの躍動する象形文字’(1912年 MoMA)
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セヴェリー二の‘村を走る赤十字の汽車’(1915年 グッゲンハイム美)
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ファイニンガーの‘自転車競走’(1912年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
イタリアの未来派の画家たちの作品を最初に目にしたのは日本で1993年
に開催された‘ニューヨーク近代美術館展’(上尾の野森美)。このビックな
特別展が実現したのはMoMAが建て替えで休館という幸運にめぐまれたため。
有名なダリの‘記憶の固執’なども出品されたが、スピードを至上の美学とした
未来派の傑作もどっと披露された。
これで未来派の虜になったが、そのあと作品をみる機会が訪れたのはローマ
の国立近代美やミラノのブレラ美、ヴェネツィアのグッゲンハイム、マドリ
ードのティッセン・ボルネミッサ美へ出かけたとき。さらに、2013年久
しぶりに入館したMoMAではタイミングが良くて日本にこなかった作品が展
示されていた。必見リスト載せていたものが目の前にあるのだから、その喜
びで天にも昇る思いだった。
バッラ(1871~1958)の‘街灯’は黄、赤で彩色されたV字の記号が
街灯の中心から飛び出してくる様に度肝をぬかれた。こんな光の表現方法が
あったのか、強烈な光のベクトルは爆弾が破裂したようなイメージだった。
ボッチョーニ(1882~1916)の‘笑い’はとても親しみを覚える作品。
太めの女性の笑顔がじつにいい。顔ばかり見ていてほかのモチーフに気がむ
かわなかったのが正直なところ。
そして、未来派スゴイじゃないか!と思わせるのがセヴェリー二(1883
~1966)の‘バル・タバランの躍動する象形文字’。明らかにキュビスムの
影響を受けている。バルはフランス語で舞踏会の意味。画面をじっくりみて
いると楽しい音楽が流れ、VALSE(ワルツ)などの文字から軽快な踊りの動
きが宴会を盛り上げていることがわかる。
未来派の真骨頂であるスピード感が全身で感じられるのが‘村を走る赤十字の
汽車’とファイニンガ―(1871~1956)の‘自転車競走’。近代化にとも
なう交通革命やスポーツやレジャーの高まりにより、人々は身近なところで
時代がダイナミックに速いスピードで動いていることを実感し大いに楽しんで
いた。