ボッティチェッリの‘ヴィーナスの誕生’(1485年頃 ウフィツィ美)
ラファエロの‘小椅子の聖母’(1513~14年 ピッティ美)
フォルリの‘音楽を奏でる天使’(1480年頃 ヴァチカン美)
わが家では海外旅行にでかけるのが大きな楽しみになっているが、毎年でも
行きたいのがイタリア。一度‘ビバ、イタリア!’を味わったらもうやめられ
ない。どの街でも食事は美味しいし、街全体が大きな美術館になっているの
で美術好きにはアドレナリンが出っぱなしになること請け合い。とくに好き
なのはフィレンツェ。ルネサンス美術に魅せられるとウフィツィ美へどうし
ても行きたくなる。では、ウフィティでお目当ての画家は誰か、もちろん
フィレンツェ生まれのボッティチェッリ(1445~1510)!
有名な‘ヴィーナスの誕生’と‘春(プリマヴェ―ラ)’をみたのは1982年。
ちょうど1年前に‘ヴィーナスの誕生’の修復が終了していたので目がクラク
ラするほどヴィーナスが輝いていた。念願の傑作が一番いい状態でみれたの
だからこれほど幸せなことはない。天にも昇る気持ちでながめていた。横に
並ぶ‘春’のやさしい人物描写と足元に草花を軽やかに並べる装飾美にも大きな
感動をもらった。宗教画なのに硬さが感じさせない表現に驚かされる。
ウフィツィを満たされた気分であとにして、次にむかうのはピッティ宮殿。
お目当てはラファエロ(1483~1520)の‘小椅子の聖母’!美術の本
でこの絵をみていっぺんで虜になった。聖母と幼児キリストと会っている
という感覚ではなく、可愛い赤ちゃんとやさしいお母さんに出会いつい声を
かけてしまう感じ。一度でいいから日本にやってきてほしいのだが、、
何年か前に来た‘大公の聖母’はOKだがこれはやはり無理か。ルーヴルで
‘美しき女庭師’に遭遇したときも大感激だった。慈愛にみちた聖母の表情に
自然と心が和む。
ラファエロの絵と同じくらい好きなのがフォルリ(1438~1494)が
描いたフレスコ画の‘音楽を奏でる天使’。ヴァチカン美でお目にかかったとき、
思わず唸った。こんな現代感覚の愛くるしい天使がいたのか!描いたのは
メロッツォ・ダ・フォルリ? スゴイじゃないか、名前をすぐ覚えた。