大相撲春場所は関脇の若隆景が高安との優勝決定戦を制し初優勝した。成績
は12勝3敗。拍手々!今場所は最後の最後まで優勝争いがもつれた。千秋
楽をむかえ、若隆景と高安が2敗で並び、これに3敗の琴ノ若が絡む展開。
優勝争いはいろいろ考えられた。若隆景と高安のどちらかが勝って賜杯を手
にする。ふたりとも勝って優勝決定戦にすすむ。逆にともに敗れた場合はも
し琴ノ若が勝つと3人のともえ戦にもつれこむ。結果は琴ノ若が豊昇龍に、
高安が阿炎に、若隆景が正代に夫々破れたので、若隆景と高安が再度優勝を
かけて激突することになった。
決定戦にふさわしいいい相撲だった。高安は全エネルギーをかけて若隆景を
土俵際までおいつめたが、最後若隆景の強靭な足腰で残され逆転負けした。
それにしても、若隆景の足腰の強さは驚異的!足を曲げながら土俵をつたわ
って高安の寄りをかわすのだから本当にすごい。優勝を決める大一番でこん
ないい相撲がとれるのだから、若隆景は‘もっている’。相撲界の‘もっている’
男の誕生である。
新関脇の若隆景は今場所見違えるように強くなった。下からの攻めと強烈な
おっつけでどんどん白星を重ねていく。これほど正攻法で強さをみせつける
と対戦相手もその強さに驚いたのではなかろうか。昨日のカド番を脱した
大関の貴景勝との一番では、以前とは違う若隆景をみせつけた。貴景勝の強
い押しに土俵までもっていかれるが、そこでぐっと踏ん張り、はたかれても
落ちず下からの攻めで反撃に転じ見事に寄り切った。
この優勝で若隆景は大関とりにぐっと近づいた。来場所また優勝に絡んで
12勝くらいしたら、一気に大関に昇進するかもしれない。筋肉質の若隆景
は千代の富士に似てくる感じなので、御嶽海がのんびり構えていると若隆景
のほうが先に横綱になるような気がする。
さて、ほかに大関になりそうな力士は誰だろうか。注目しているのは今場所
は期待外れだったが阿炎、11勝をあげた琴ノ若、新小結で勝ち越した豊昇
龍、元横綱鶴竜の指導で着実に力をつけている霧馬山(今場所10勝)。