山野楽器を通じて購入した喜劇映画の‘社長シリーズ サラリーマン清水港’が
届いたのでオリンピック観戦の合間にみて楽しんだ。新型コロナの感染で巣
ごもりを余儀なくされていることの副産物として、映画をみる時間が多くな
っている。昨年からBSプレミアで放送される映画をビデオ収録していたが、
今年は3月にDVDプレーヤーを購入したので行きつけのブックオフに足を運
ぶ回数が上がり、‘Myお気に入り映画’のラインナップがだいたい揃った。
その数130本。
大半はアメリカ映画だが、日本映画もこれはというのはしっかり揃え
ている。そのなかで何度もみているのが喜劇の‘社長シリーズ’、以前NHKの
BSやテレビ東京でも放送されたが、最近は各局の映画リストにはのぼってこ
ない。この人気喜劇を製作した東宝は嬉しいことに今年の1月と2月に
全33作品のDVDを4000円(正・続2枚組)で発売した。TSUTAYAへ行
くとこのシリーズの一部がレンタルされているが、それをみると8000円
の値がついている。今回は値段を半分にして全部DVD化した。東宝はマーケ
ット調査をしてコロナ禍で自宅で昔の人気映画をみるシニア層が増えている
ことをつかみ発売に踏み切ったのだろう。これは山野楽器に注文を出すと一
部が在庫切れで配達が遅れることがあるので、日本全国にはかつて映画館で
社長シリーズをみて大笑いした人たちが多くいることは容易に想像できる。
このシリーズの第一作は1956年に劇場公開された‘へそくり社長’。それ
から1970年の‘社長学ABC’まで全部で33作品つくられた。出演している
のは社長役の森繁久彌をはじめてとして芸達者な小林桂樹,加東大介、
三木のりへい、フランキー堺の面々。この喜劇をみてつくづく思うのは昔の
喜劇役者は本当に芸が巧いこと。その極めつきが定番の宴会芸、‘サラリー
マン清水港’では‘茶っきり娘’に扮して踊っている。このシーンになるといつ
もゲラゲラ笑っている。
この映画が貴重なのは観光映画を兼ねているところ。一本々に国内の大都市
や観光名所が物語の舞台になる。例えば、‘サラリーマン清水港’では清水港、
四国の金毘羅宮、松山。わが家はこれま国内をくまなく旅行してきたので
登場する観光名所はとても懐かしい。金毘羅宮ではあの長い階段をふうふう
言いながら登ったこを思い出した。今、新型コロナの感染の再拡大で旅行
する機会がまた遠のいた感じ。だから、この映画はみていると旅行したよう
な気分になる。社長シリーズをみる時間がまだまだ続きそう。