‘夜のオフィス’(1940年 ウォーカー・アート・センター)
‘NYの室内’(1932年 シェルドン・メモリアル・アート・ギャラリー)
ここ1年くらい‘BSプレミアム シネマ’で放送される名画をよくみている。
先月は‘アラビアのロレンス’が登場したのでTVに内蔵されているビデオに
しっかり収録した。今はTVガイドによってかつてみたお気に入りの映画が
ラインナップされるかを確認するのが楽しみになっている。
今月はBSプレミアムではないが、BSテレ東で9/30(後6:55~)に
‘大脱走’(主演スティーブ・マックィーン)が放送される。待ってました!
映画が小さい頃から好きでアメリカ映画を数多くみてきた。映画狂とまで
はいかないので優れた監督の名前がぱっぱっとはでてこないが、メジャー
な人ならだいたい知っている。映画は監督の腕といいシナリオに恵まれる
とヒットする。画家でも風俗画風の作品が得意な人は映画監督の才能を兼
ね備えているかもしれない。
ホッパー(1882~1967)の絵をみると、まるで映画のワンシーン
のような場面がいくつもでてくる。代表作の‘夜ふかしをする人たち’もそう
だし、ここに紹介する5点もMy名画ビデオを再生させて停止ボタンを押
すとよく似た構図になるものが何カットもある。
‘ホテルのロビー’は見慣れた光景、来年から海外旅行を再開させたいがまだ
無理かな? ‘夜の話し合い’は同じく3人が描かれているが、こちらはホッ
パーには珍しく会話の場面。この3人は三角関係。だいぶこじれているよう
で険悪な雰囲気になっている。
‘夜のオフィス’はやり手ビジネスマンがまだ仕事をしている。隣の秘書も
ビジネスライクに割り切ってつきあっている。特別手当の請求は抜かりな
いだろう。‘NYの室内’は二人の男女に会話はなく男性は新聞を読み、女性は
ピアノの鍵盤をつまらなさそうにたたいている。こんな冷えた関係になっ
たのは何が原因なのだろうか。
‘夏の夕暮’は若いカップルの逢引きのシーン。電灯の光に照らされて浮かび
上がる二人の密着度が感情の高まりを暗示している。