岡田美へ2度出かけたのはいずれも喜多川歌麿(1753~1806)の
肉筆の大作‘雪月花’をみるためだった。この‘雪月花’のうち長いこと行方知れ
ずだった‘深川の雪’がなんと日本で発見され、岡田美におさまることになっ
た。修復をばっちり行い晴れて披露されたのが2014年4月。喜び勇んで
箱根にクルマを走らせた。
浮世絵展示における大イベントはさらに続く。3年後の2017年7月には
アメリカから‘吉原の花’が里帰りし、さらに原寸大の高精細複製画の‘品川の
月’も用意されめでたく岡田美で‘雪月花’劇場が実現した。これは圧巻!生涯
の思い出である。ひそかに期待している喜多川歌麿展、もし東博で開催され
たら、東京でアゲイン‘雪月花’が披露されることになるのだが、はたして。
そのときは‘芸妓図’も飾られるにちがいない。
ここには葛飾北斎(1760~1849)のとてもいい肉筆美人画がある。
‘夏の朝’は北斎の美人画ではお気に入りタイプ。後ろ姿で顔は隠れて
いるが手鏡に映ったのをみるとなかなかの美形。この後ろ姿で北斎は5年前
にもう一枚肉筆で描いている。これは現在ボストン美にあるが、こちらの女
は下に置いた鏡で後ろ髪を整えている。2点ともMy好きな北斎美人画に
登録している。もう一点ある肉筆画‘堀川夜討図’は3年前あべのハルカス美
であった北斎展に‘夏の朝’とともに出品された。
岡田美がもっている岩佐又兵衛(1578~1650)の‘堀江物語絵巻断
簡’は大浮世絵展(2014年、江戸東博)ではじめてお目にかかった。
しっかり又兵衛もあつめているところが流石である。