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Channel: いづつやの文化記号
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美術館に乾杯! MOA美術館 その四

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    海北友松の‘楼閣山水図屏風’(重文 17世紀)

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    岩佐又兵衛の‘柿本人麿・紀貫之図’(重文 17世紀)

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    岩佐又兵衛の‘山中常盤物語絵巻’(重文 17世紀)

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    岩佐又兵衛の‘浄瑠璃物語絵巻’(重文 17世紀)

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    池大雅の‘四季山水図巻 春’(1755年)

日本画をみるとき名前を知っている絵師の作品が目の前に現われればすぐみ
るぞ!モードになるが、知らない絵師の場合いい絵ならその印象は強く残り
記憶される。作品が先行して名前は取り残されるというパターン。2017
年に京博で大回顧展があった海北友松(1533~1615)は後者。かな
り前にあった建仁寺展(京博)ではじめて海北友松の存在を知り、そのあと
MOAで遭遇してようやくその画風が記憶領域の一角を占めるようになった。

回顧展で久しぶりに‘楼閣山水図屏風’と‘四季山水図屏風’(ともに重文)をみ
て、名前と作品が一致しない状態だったMOAでの鑑賞体験を思い出した。
その頃は回顧展が開かれることなど頭が回らなかった。時が流れ、海北友松
は狩野永徳、長谷川等伯とならぶビッグな絵師に昇格した。

岩佐又兵衛(1578~1650)をみたかったらMOAへ行け!これが
又兵衛好きの合言葉。ユーモラスな水墨画‘柿本人麿・紀貫之図’も楽しいが、
心がワクワクするのは絵巻の‘山中常盤物語’、‘浄瑠璃物語'、‘堀江物語’。
MOAではこの絵巻を長めの間隔をとり公開している。美術館が開館30年
を迎えた2012年の春に3つが全巻展示された。山中常盤物語については
2004年の岩佐又兵衛展(千葉市美)で3巻みたが、これから2,3年経
って全巻お目にかかったような気がする。だから、2012年は浄瑠璃物語
と堀江物語をみるためにクルマを熱海まで走らせた。

このところご無沙汰しているので絵巻の展示をチェックしてないが、この
8年で披露された?3,4年前の改築が終わったとき展示された?その可能
性はある。とにかくここの絵巻をみるのは長期戦を覚悟していたほうがいい。

池大雅(1723~1776)の‘四季山水図巻’をみたのは熱海ではなく京博
であった大回顧展(2018年)。MOAに大雅があることがはじめてわか
った。与謝蕪村の絵はみたことがないので蕪村よりは大雅の方が好みだった
のかもしれない。


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