熱海にあるMOA美はこれまで何度も出かけたのでとても愛着がある。ここ
にはすばらしい美術品がドドーンと飾られている。有名な尾形光琳の‘紅白梅
図屏風’をはじめとする琳派の数々、岩佐又兵衛の絵巻、明治以降の日本画、
そして野々村仁清、尾形乾山、鍋島などのやきもの、またモネやレンブラン
トの絵まで所蔵しているのだから恐れ入る。
東博や京博は横において琳派のコレクションで知られている美術館はMOA,
光琳の‘燕子花図屏風’をもっている根津、静嘉堂文庫、そして出光と畠山。
これらの美術館で開催された琳派展の図録を重ねるとかなりの高さになる。
春、梅の季節になると公開される尾形光琳(1658~1716)の‘紅白梅
図’、美術の教科書に載っている作品に対面するというのはやはり特別な出来事
である。右の紅梅がどんと踏ん張った外またの足にみえてしょうがない。
本阿弥光悦(1558~1637)の書と俵屋宗達の鹿の絵がコラボする
‘新古今集和歌巻’はいろいろヴァージョンがあり、MOA,サントリー、山種、
五島、そしてアメリカのシアトル美がもっている。一頭々動きの違う姿で描か
れた鹿をみるのはとても心地いい。
MOAの光琳への思い入れは強く美術館の横に京都・相国寺のすぐ北の所にあ
った光琳屋敷を再現している。これまで何回となく開かれたミニ琳派展でMOA
にある光琳は紅白梅図・琴高仙人図を入れて15点くらいお目にかかった。
酒井抱一(1761~1828)は‘雪月花図’が絶品。この構図のとり方が最高、
描けそうで描けない。鈴木其一(1796~1858)は少なく‘草花十二ヶ月
画帖’など数点。色が綺麗なこの画帖は7月(右)と8月(左)をピックアップ
した。