シリーズ‘美術館に乾杯!’はトラックの第4コーナーをまわりゴール寸前の
ところ。最後を締める美術館はフランスのルーヴルとオルセーにすることを
決めていた。ようやく真打中の真打の登場。
美の殿堂、ルーヴル美は2010年に訪れて以来ご無沙汰している。この
とき必見リストに載せていた作品はだいたいヒットしたので数多くあるルー
ヴルの絵画はほぼコンプリートになった。ここにくるまで何度足を運んだ
ことやら。感慨深い!
古典絵画はウフィツィ同様大変充実しており、美術本にでてくる作品がここ
にもあそこにもあるという感じ。チマブーエ(1240~1302)の‘荘厳
の聖母’をみて、ジョット(1267~1337)の‘聖痕を受ける聖フラン
チェスコ’の前の立つとルネサンス絵画モードは全開する。
昨日紹介したアッシジにあるジョットの同名の作品はフレスコ画だったのに
対し、これはピサの聖フランチェスコ聖堂の主祭壇画のために描かれた板絵。
キリストの聖痕が聖人にコピーされる奇跡の神秘さに視線が固まる。
フラ・アンジェリコ(1395~1455)の‘聖母戴冠’は画面が金で埋め尽
くされ華のある宗教画の見本のような絵。数え切れないほど多くの天使や聖
人たちが聖母のまわりを囲み、ラッパを吹きリュートを奏なでて聖母の戴冠
を祝福している。金の効果の大きさを実感する。
メディチ家の宮殿に飾られていたウッチェロ(1397~1475)の‘サン
・ロマーノの戦い’は本来は3部からなる大パノラマだった。残りの2点は
ウフィツィとロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵している。描かれ
ているのはフィレンツェ軍がシエナ軍に勝利した1432年の戦いの場面。
中央にいる救援にかけつけたフィレンツェ軍のミケレットが逆襲して味方を
鼓舞している。ウッチェロの生涯のテーマ遠近法により立体感のある戦闘
場面に生み出されている。