ボッティチェリの‘聖母子と聖ヨハネ’(1468年)
ペルジーノの‘聖母被昇天’(1500年)
ギルランダイオの‘3聖人’(1493年)
ポントルモの‘ヴィーナスとキューピッド’(1533年)
フィレンツェにある美術館が所蔵するルネサンス絵画は度々日本にやって
来るが、3,4年前、アカデミア美にあるボッティチェリ(1445~
1510)の初期の作品が出品された。
師匠のリッピの影響が色濃くでている‘聖母子と聖ヨハネ’をみるたびに、
ボッティチェリの特徴であるアンニュイな女性の表情が心を強く揺すぶる
としてもそのシンプルな人物描写はリッピをどこまでいっても引き継いで
いることは明らか。
‘聖母被昇天’のペルジーノ(1448~1523)と‘3聖人’のギルラン
ダイオ(1449~1494)はボッティチェリとほぼ同じ時代を生きた
人気のトリオ。
大作‘聖母被昇天’は定番の描き方で縦長の大画面を3層にわけて聖母の
被昇天の場面を描いている。視線が向かうのは中央の聖母と下の右端に
いる大天使ミカエルの武具。
背景の奥行きのある建築物によって浮き上がってみえるギルランダイオ
の3聖人(ステファヌス、ヤコブ、ペテロ)も圧倒されるほどの傑作。
衣装や壁の模様の装飾的な表現も人物を際立たせている。
ポントルモ(1494~1557)の‘ヴィーナスとキューピッド’は
ミケランジェロが描いたカルトン(下絵)をもとに完成させたもの。
左の 仮面がすごく不気味でどことなくマニエリスム調。