ラファエロの‘エゼキエルの幻視’(1518年)
ボッティチェリの‘聖母子と洗礼者聖ヨハネ’(15世紀)
ティツィアーノの‘マグダラのマリア’(1533年)
ティツィアーノの‘ピエトロ・アレティーノ’(1545年)
2013年、西洋美でラファエロ(1483~1520)の回顧展が開催されたとき目玉の‘大公の聖母’とともにやって来たのが晩年の‘エゼキエルの幻視’、小品だが牛、鷲、そして羽のあるライオンに乗り天使と一緒に現れた神の威厳のある姿が目に焼きついている。
男性の肖像画‘ビッビエーナ枢機卿’は写実性に富む傑作だが、これも出品された。ここにはもう一点記憶から消えない肖像画がある。それは斜視の高位聖職者‘フェドラ’
ボッティチェリ(1445~1510)の‘聖母子と洗礼者聖ヨハネ’も嬉しいことに3年くらい前のボッティチェリ展に展示された。現地でみたという実感がなかったのでいいリカバリーになった。
ここにはヴェネツィア派のティツィアーノ(1485~1576)のいい絵画が揃っている。とくに印象深いのが画面いっぱいに描かれた‘マグダラのマリア’、この別ヴァージョンがエルミタージュ美とナポリのカポディ・モンティにもあるがどれも心を奪われる。
ラファエロ同様、ティツィアーノは男性の肖像画の名手、仲の良かった詩人で劇作家のピエトロ・アレティーナの堂々とした姿に思わず足がとまる。