ボルゲーゼ公園のなかにある国立近代美は19世紀以降の絵画や彫刻などを展示する美術館。数多く飾られているイタリア人画家の写実的な絵画はほとんど知らないが、未来派や抽象絵画が並ぶ部屋では見覚えのある作家が続々登場し目を楽しませてくれる。
イタリアは彫刻の本場。心を奪われる彫刻家はミケランジェロ、ベルニーニのほかにもたくさんいる。ヴァチカン博に展示されている‘ペルセウス’をつくったカノーヴァ(1757~1822)もその一人。ここの大作‘ヘラクレスとリカス’(高さ3.5m)に200%KOされた。パワー全開のヘラクレスの姿はギリシャ神話で何度も襲ってくる苦境を乗り越える強いヘラクレスのイメージにピッタリ。
描かれた女性の美貌をみてMy好きな女性画に即登録したのがイタリアのコルコス(1859~1933)の‘夢’。この美術館は2度訪問したが、この絵の前にくると心拍数が上がった。フランスのルノワールやマネの描く女性とはちがいその気品のある美しさに限りない魅力を感じる。
クールベ(1819~1877)の‘狩猟’は2008年、パリのグランパレで開催されたクールベ展に出品された作品。その2年前にみたときはオルセー以外でクールベと出会うことはほとんどないので感激した。同じくセガンティ―ニ(1858~1899)の‘牧場’にお目にかかれたのも大きな収穫だった。