1991年パリへ行ったときは今とはちがい個人旅行。美術館めぐりがメインの目的で名所観光はあくまでもオマケ。全部で13の美術館をまわった。だから、この年がわが家にとって美術旅行の元年だった。ピカソ美もそのなかに入っている。
ピカソの名がついている美術館なので作品はオールピカソと思いきや、ほかの画家の作品も所蔵している。でも、このときはこうした絵をみたという実感がない。鑑賞エネルギーは当然だがすべてピカソに向かっていたから‘見れど見えず’状態だったのか、それとも常時展示してないのか、よくわからない。
ピカソ(1881~1973)よりひとまわり若いミロ(1893~1983)の‘スペインの踊り子の肖像’は2002年世田谷美で開催されたミロ展でお目にかかったが、‘自画像’のほうはまだ縁がない。2点とも顔の描写や衣服の陰影のつけ方などは全体を一旦分解して再構成するキュビスムの匂いがする。
未だに謎なのがアンリ・ルソー(1844~1910)の絵。手元にある美術本ではピカソ財団が所蔵する4点がルーヴル美に寄託?寄贈?されていることになっている。その絵は‘女の肖像’、‘平和のしるしに共和国に敬意を表して訪れた列国の代表者たち’、‘自画像’、‘ジョセフィーヌ・ルソー’。
ところが、ルーヴルへ足を運ぶときはこの4点を必見リストに入れているのにこれまで一度も遭遇したことがない。だから、美術本が古くて今はピカソ美で展示しているのかな、と勝手に思ってしまう。それを確認する意味でも新装なったピカソ美に行かなくてと思っている。
セザンヌ(1839~1906)に影響を受けたピカソは‘レスタックの海’をもっていたのかもしれない。この絵も現地でみた記憶はないので、もう一度出かけたときは展示されていることを念じておきたい。