コンスタブルの‘ウエイヴァンホー・パーク、エセックス’(1816年)
イギリスは仕事で数度行ったり、語学研修のため3カ月ロンドンに住んでいたこともありアメリカに比べれば落ち着いて行動できる。でも、イギリスの田園風景に対する馴染み感が希薄でまだまだかの地の遠い風景という思いが続いている。
そのため、コンスタブル(1776~1837)に描かれた草原をみていると、いつかこんなところをまわってみようという気になる。ワシントンのナショナルギャラリーで感心するのは、コンスタブルやターナー(1775~1851)も長くみていたくなるようないい絵が揃っていること。ルーヴルでコンスタブルはみたことがないし、ターナーが足がとまる作品だったいう記憶もない。
メトロポリタン、フリックコレクション、ボストン、フィラデルフィアなどアメリカの人気の美術館には心を揺すぶるターナーが展示されている。ワシントンでも波打つ水面にできた丸い光の渦が印象t的な‘月明りに石炭を積みこむ水夫たち’と明るい光がヴェネツィアの海と鐘楼や建物を輝かせている‘ヴェネツィアの風景’に目を奪われる。今年は日本の美術館でターナーをもってくるという話があったが、どこだったか、東京ではなかったはずだが。
クールベ(1819~1879)の‘ルー川の水源’は生まれ故郷であるフランス東部オルナンの近くを流れるルー川の洞窟を描いたもの。このごつごつとした岩に囲まれた川の水源をクールベは1864年ころ全部で9点描いている。2008年パリのグラン・パレであった大クールベ展にはこの絵を含めて6点でていたが、ワシントンのものだけが人物が描かれている。