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Channel: いづつやの文化記号
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暑さがふっとぶ‘アメリカン・ポップ・アート展’! ウォーホル

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Img_0002     ‘200個のキャンベルスープ缶’(部分 1962年)

Img_0001     ‘マリリン’(1967年)

Img_0003     ‘キミコ・パワーズ’(1972年)

Img_0007     ‘花’(1970年)

今年、わが家はアメリカンアートの年だから、国立新美で行われる‘アメリカン・ポップ・アート展’(8/7~10/21)への期待値は特別高い。その気持ちに駆られて初日に出かけた。最近は以前のように開幕する日に足を運ぶことがないので、目に力が入った。

ポップアートを象徴する作家、ウォーホル(1928~1987)は37点でている。これほどの多くのウォーホル作品をみることができるのだから、日本は真に美術大国。だから、作品の前では大興奮ということになるはずなのだが、1月MoMA、MET、そしてワシントンのナショナルギャラリーとハーシュホーンで‘ゴールドマリリンモンロー’など4点で目慣らしができていたので、人物の顔の色使いやそのヴァリエーションのつけ方などに注意を払ってじっくりみることができた。

ウォーホルは小さいころから毎日食べていたというキャンベルスープ、ところがアメリカに住んだことがないのでこのスープにはまったく縁がない。そのスープ缶がなんと200個も繰り返し描かれている。缶がひとつだけだと、インパクトは薄い存在なのにこれほど大量に並んでいると、記号化されたアメリカの消費生活が強くイメージづけられる。

スープ缶の連続表現は人物の肖像にも使われた。マリリン・モンロー、ミキコ・パワーズ、毛沢東夫々の顔の肌や目や唇、髪の色、衣装や着物の色合い、そして背景の色との関係はどうなっているかを時間をかけてみた。

マリリンの場合。地の色とアイシャドーの色は一致している。髪の色はゴールドや茶色などいろいろな色が使われているのに対し、ミキコのほうは東洋人を意識してか目、眉毛、髪はみな黒、そして地の色と着物の色はゴッホのひまわりの絵のように同じで、同時にこの色が口紅の色になっている。感心するのがアクセントを効かせている着物の襟の色。上段右の赤に映えるゴールドの襟が目に焼きつく。

ハーシュホーンでみた‘花’は1点だったのに、ここでは10点が一堂に並んでいる。黄色や赤やピンクなど明るい色でべたっと彩られた大きな花弁はこちらに飛び出してくるよう。熱帯の花園に紛れ込んだような感じで浮き浮きした気分になる。

ウォーホルは天性のカラリスト、生き生きとした色彩の力をこれほど強く感じたことはない。こういう作品をまじかにみると、多くのコレクターがウォーホルの作品に夢中になるのがよくわかる。


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