ラ・トゥールの‘クラブのエースを持ついかさま師’(1620年代 キンベル美)
今年出かけた展覧会は53回。5年くらい前からだいたい50回前後におさまってきた。月に一度出動し、3,4展多いときは5展大急ぎでみてまわる。だから、朝から結構忙しい。このなかから大きな感動をあじわった展覧会を10選んだ。昨年同様、海外の美術館でみたものも含まれている。いつものように順番はつけず、開催された月の若いほうから並べた。
★ ボッティチェリ展 1/16~4/3 東京都美
★ 勝川春章展 2/20~3/27 出光美
★ カラヴァッジョ展 3/1~6/12 西洋美
★ 安田靫彦展 3/23~5/15 東近美
★ ラ・トウール展 2/23~6/12 プラド美
★ ワイエス展 3/1~6/20 テイッセン・ボルネミッサ美
★ ボス展 5/31~9/25 プラド美
★ ルノワール展 4/27~8/22 国立新美
★ カサット展 6/25~9/11 横浜美
★ 鈴木其一展 9/10~10/30 サントリー美
ベスト10のうち西洋絵画が7つ入っている。どれも感動袋がもうひとつ必要なくらいすばらしいものだった。とくに質の高い作品が並んだのが世界中から名画を集めてきたボッテイチェリとカラヴァッジョ。こんな人気の高い画家の回顧展が日本で開かれるなんて奇跡に近く、まさにワールドクラスのビッグイベントに酔いしれた。
国立新美のルノワール展は目玉の‘ムーランドラギャレット’と再会できたことが最高に幸せだった。この絵はワシントンのフィリップスコレクションにある‘舟遊びの昼食’とともに真打中の真打。ルノワールの生き生きとした群像描写は腹の底から生きる喜びを感じさせる。
横浜美で行われたカサット展も母子像に200%心を打たれた。アメリカの美術館をまわっていてカサットによく出会い回顧展に遭遇すると楽しくなるなと思っていたら、なんと横浜で実現した。ミューズに感謝!
今年は国内でカラヴァッジョに感動し、マドリードのプラドではしびれる回顧展を体験した。会期中60万人がみたという大ボス展と代表作がほとんど揃ったラ・トウール展。盆と正月が一緒に来たようなもので帰国してからも余韻がずっと残っている。
さらに思ってもいなかったワイエス展までみることができた。正月神社に参拝したときひいたおみくじが‘大吉’だったのは展覧会での幸運を意味していたことを悟った。