今年も残り2ヶ月、出かける展覧会がまだいくつか残っているが、展覧会ファイルには来年開催される企画展のチラシや入手した情報のメモ書きがだいぶはさまってきた。そのなかに楽しみなやきもの展が二つある。
東近美の‘楽歴代展’(3/14~5/21)と東博の‘茶の湯展’(4/11~6/4)。
楽茶碗を多く集めたものは10年前、三井記念美で行われた。東近美はそれよりは規模が大きいものをみせてくれると予想しているが、とくに期待しているのは十五代楽吉左衛門(1949~)の作品、最新作も楽しみだが光悦を感じさせる半筒形の名碗‘焼貫黒楽茶碗’などもでてくると目に気合が入る。
徳田八十吉(1933~2009)は松井康成(1927~2003)と同じく76歳でこの世を去った。陶芸家は日本画家のように長く制作活動をしているというイメージがあるから、70代で終わりというのは本当に残念、2011年横浜そごうで行われた回顧展に出品された‘深厚耀彩十八稜壺’は真にため息がでるほど美しい壺。こんな作品をまだまだつくって欲しかった。
2007年に青磁の人間国宝に指定された中島宏(1941~)、2005年渋谷の松濤美で開かれた回顧展は青磁に魅了がぎゅっとつまった一級のやきもの展だった。器の表面にできた凹凸の模様と無数にある細かな貫入に釘付けになった‘青瓷彫文壺’、特別のやきもの青磁のユニークな造形に200%魅了された。