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Channel: いづつやの文化記号
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映画‘ハドソン川の奇跡’!

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先週の24日(土)から上映がはじまった‘ハドソン川の奇跡’をみてきた。2009年1月15日、NYのハドソン川に旅客機が不時着して乗客、乗務員全員が助かったというニュースがはいってきたときはまったくスゴイことが起きたなと思った。そして、漠然とではあるがこの奇跡のドラマはいずれ映画化されるだろうと想像した。

それが今年ようやく実現した。メガホンをとったのはいまや巨匠とよばれているクリント・イーストウッド、英雄となったサイレンバーガー機長を演じるのはトム・ハンクス、このビッグネームのコンビにより映画が製作されたことは今月放送されたBSプレミアムの番組‘アナザーストーリー’で知った。

映画の宣伝用チラシでは機長の下に‘155人の命を救い、容疑者になった男’というキャッチコピーが張り付けられている。‘容疑者になった男’ってどういうこと?番組では事故の原因、機長がとった選択のいきさつ、そして民間フェリーの船長らによる乗客たちの救出劇がドキュメンタリータッチで詳しく語られた。聞けば聞くほどこの奇跡の物語は心を打つ。

機長が長いパイロット経験に裏付けられた高い操縦技術をもち現実的な楽観主義者であることはよくわかった。でも、番組には機長と副操縦士が国家運輸安全委員会による事故原因調査のために長い期間にわたって聞き取りされたことはまったくでてこない。

映画ではこのヒアリングのやりとりに大半の時間が割かれ、ハドソン川に着水するという方法は本当に一番いい選択だったのかどうか安全委員会の調査官から斬りこまれる。メデイアや世間では機長は英雄扱いされるのに、安全委員会では機長のとった不時着という判断は彼らが行う機械的な飛行シミュレーションなどにより疑問符がつけられる。このヒアリングは18カ月も続いた。

機長がこんな目にあっていたとは思ってもみなかった。トム・ハンクスはやはり名優、機長の心のうちを見事に演じていた。劇場で映画をみるのは久しぶりだったが、足を運んだのは正解だった。


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