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Channel: いづつやの文化記号
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平成28年新指定の国宝、重文の展示!

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Img_0002        竹内栖鳳の‘絵になる最初’(1913年 京都市美)

Img     能阿弥の‘蓮図’(室町時代 正木美)

Img_0001     ‘粉引茶碗(三好)’(朝鮮時代16世紀 三井記念美)

東博の平成館で行われている黒田清輝美をみたあと、いつもの流れで本館に寄り道した。現在、2階で今年新たに指定された国宝、重文が展示されている(4/19~5/8)。

どんな絵や彫刻、工芸が新たに日本のお宝に加わったかは3/12の新聞によりおおまかに知っていたが、見落としていたものが目の前に現れた。それは福田平八郎の‘漣(さざなみ)’の横に並んでいた竹内栖鳳(1864~1941)の‘絵になる最初’、ええー、これも重文になるの!?という感じ。

栖鳳が女性を描いた絵は数点しかないのですぐ栖鳳ファイルからでてくる。この絵の4年前に描かれた‘アレ夕立に’は舞妓の顔を扇で隠した姿なのでちょっともどかしい、これに対して‘絵になる最初’は女性は顔を見せてくれてはいるが、手で半分隠している。恥じらいのポーズだからこれで我慢するほかない。

これが重文になるとは思ってもいなかったが、栖鳳の作品では‘班猫’についで2点目。1937年(昭和12)に第1回の文化勲章を一緒の受賞した横山大観には重文が2点あるし弟子の上村松園も2点あるので、文化審議会はバランスをとったのかもしれない。

2008年の秋、新橋の東京美術倶楽部で大阪府にある正木美の名品展が開催された。そのとき出品された能阿弥(1397~1471)の‘蓮図’がこのたび重文に指定されることになった。描かれた蓮華の位置が歌とうまく調和がとれていてほわっとした花びらが心を沈めてくれる。

やきものは3点、三井記念美の‘粉引茶碗(三好)’は2,3回みたが、三代道入の‘黒楽茶碗(青山)’はお目にかかったかどうか半々だった。家に帰ってこれまでみた黒楽茶碗をチェックしたらどの図録にも‘青山’は載ってなかった。所有している楽美術館は名碗だから特別のことがないかぎり外へは出さないのかもしれない。

京博が所蔵している尾形光琳・乾山の合作‘銹絵寒山拾得図角皿’も縁がない。角皿は結構見たが、まだいいものが残っていた。やきものは奥が深い。


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