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Channel: いづつやの文化記号
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アメリカ絵画の傑作!

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Img_0001     ホーマーの‘見張り’(1896年)

Img_0003     ホーマーの‘濃霧警報’(1885年)

Img_0004     トマス・コールの‘楽園追放’(1828年)

Img_0002     ビーアスタットの‘バッファローの移動’(1867年)

ボストン美にある作品で必見リストの真っ先に載せていたのがホーマー(1836~1910)の‘見張り’、ホーマーの作品をヨーロッパの美術館でみる機会は極めて少なく過去にみたのは数点しかない。だから、ホーマーを楽しもうと思うとアメリカの美術館をまわるしかない。

1993年はじめてボストン美を訪れたとき、美術館が製作した分厚いカタログ(英文、カタログ)を手に入れた。ここに‘見張り’は載っているが、このときはモネやルノワール、ゴッホ、ゴーギャンたちの名画をみるのに忙しくてホーマーの絵は頭のどこにもなかった。そのリカバリーのチャンスが2008年にめぐってきたが、運悪くアメリカ館を建設している時期にぶつかり、対面は叶わなかった。

今回はその仕切り直し。ホーマーは全部で6点、見張り役の猟師が‘万事よし’といっているところを描いた‘見張り’は意外にも小さい部類の絵だった。図録では全体的にもう少し明るい画面になっているが、実際には猟師の顔がはっきりしないくらいの暗さ。大声をだしている猟師の精悍な顔つきを目に焼きつけた。

もう一点画面に惹きこまれる作品があった。とてもリアルに描かれた海洋画‘濃霧警報’、ホーマーは波が大きくうねり迫りくる海の脅威と必死に闘う人物の姿を描いた作品が多い。大きな魚を釣り上げた猟師は遠くにいる母船に無事に帰り着けるだろうか。息を吞んでみていた。

2013年、ワシントンのコーコラン美、フィラデルフィア美、そしてメトロポリタン美でハドソンリバー派の作品を存分に楽しんだ。今回はMETでトマス・コール(1801~1848)やエドウイン・チャーチ(1826~1900)の雄大な風景画をみる時間がなかったが、ボストン美でコール2点、チャーチ1点、ビーアスタット2点に遭遇。事前の情報は1点しかなかったのでをワクワクしながらみた。

そのなかでとくに魅せられのはコールの‘楽園追放’とビーアスタットの‘バッファローの移動’、絵のサイズはMETにある傑作より一回り小さいものだったが、細部まで精緻に描き込んだ表現には声がでないほど惹きこまれる。見ごたえのあるハドソンリバー派にますますのめりこんでいく。


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