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Channel: いづつやの文化記号
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フリーア美のミニ琳派展!

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Img_0001     尾形光琳の‘群鶴図屏風’(17~18世紀)

Img_0002     尾形光琳の‘菊流水図団扇’(17~18世紀)

Img_0003     酒井抱一の‘蝶に牡丹図’(19世紀)

Img     鈴木其一の‘白椿・薄野図屏風’(19世紀前半)

フリーア美には全部で18の展示室があり、現在は日本美術の部屋5,6,7では‘宗達展’とコラボして琳派関連の絵画ややきものがずらっと展示されている。このことは日本を出る前に知っていたので、手元の美術本でフリーアが所蔵している光琳などの絵をチェックしておいた。

尾形光琳(1658~1716)は3点でていた。‘群鶴図屏風’、‘白梅図屏風’、そして‘菊流水図団扇’。六曲一双の‘群鶴図’は1994年、名古屋市博で行われた琳派展でお目にかかった。フリーア美にあるものは門外不出であるはずなのだが、この鶴の絵はチャールズ・フリーアが蒐集したものではなく後年フリーア美が購入したものだと思われる。

今回狙っていたのは菊と水流が描かれた団扇、もうひとつある蔦の細道が絵柄になったものも一緒にみれればよかったがこちらは次の楽しみとなった。団扇の下には乾山のお馴染みの角皿と色絵で文様をあしらった小さな香合がおかれ3点セットで鑑賞するという洒落た演出。

酒井抱一(1761~1828)は見栄えのする‘三十六歌仙図屏風’がでていた。これは敬愛する光琳が描いたもの(メナード美)の写し。これで其一のもの(出光美)もいれて3人の‘三十六歌仙図’をみることができた。ほかに2点の花鳥画があった。写真のため画質は落ちるが‘蝶に牡丹図’と‘月に秋草図‘、もう一点、はじめてみる‘達磨図’もなかなかよかった。

光琳の団扇絵同様、期待していたのが鈴木其一(1796~1858)の‘白樺・薄野図’。ありました、こういう瞬間は本当に嬉しい。これはもともと屏風の表と裏に描かれていたもの、金屏風には緑の土披に意匠化された白椿が、銀屏風には薄の穂先が型を繰り返すようにびっしり描かれている。

ほかには中村芳中の柿の絵や池田孤邨の楓が咲き誇る作品などがあり部屋全体が琳派の美につつまれていた。宗達展のプラスαにこんな豪華な琳派コレクション、一生の思い出になった。


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