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Clik here to view. アムトラックの車内雑誌に掲載された‘宗達展’の案内
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Clik here to view. 俵屋宗達の‘松島図屏風’(17世紀 ワシントン フリーア美)
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Clik here to view. 尾形光琳の‘松島図屏風’(18世紀 ボストン美)
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Clik here to view. 尾形光琳の‘松島と富士’(18世紀)
3年ぶりにアメリカを旅行し、念願の‘宗達展’(10/24~1/31 ワシントン アーサー・M・サックラー・ギャラリー)を鑑賞し、さらにいくつか美術館をまわってきた。その感想記がしばらく続きます。おつきあいください。
今年は琳派400年という記念の年。国内では京博で大規模な琳派展(終了)が行われたが、海のむこうのアメリカではワシントンで現在‘宗達展’(10/24~1/31)を開催中。場所はフリーア美の敷地内の地下にあるアーサー・M・サックラー・ギャラリー。
1年くらい前、この展覧会の情報に接したときすぐにワシントンをめざすことを決めた。いつものようにA旅行会社の団体ツアーに参加し、ワシントン観光のとき、一時離脱してフリーア美に駆け込むという作戦。いくつかあった選択肢のなかからわれわれの希望にぴったりのがあり、気分よく申し込んだ。
ほかに訪問した美術館はフィラデルフィア美、メトロポリタン美、グッゲンハイム美、ボストン美の4館。このなかでお楽しみはフィラデルフィアとボストン、2013年はじめてフィラデルフィアに足を運んだが、お目当てのセザンヌの‘大水浴図’、ダリの‘インゲン豆’、デュシャンの‘大ガラス’が姿を見せてくれなかった。だから、今回はそのリカバリー。そして、ボストンの狙いは2008年に出かけたとき建設中だったアメリカ館(2010年完成)、はたしてホーマーの絵と会えるか、その結果はおいおいと。
まずはメインディッシュの宗達の‘松島図屏風’から。日本にあったら国宝はまちがいないこの六曲一双の屏風の存在を知ったのはずいぶん前のこと。ワシントンは4度目だが、フリーアに入るのは3度目。過去2回はひょっとして‘松島図’に会う大サプライズがあるのではないかと思って入館したが、ダメだった、でも今回は確実に展示してある。
サックラーギャラリーはフリーアの敷地内にあり展示室は地下につくられている。地下3階まで急いで降りていくと会場にたどり着いた。入ってすぐにあの‘松島図’が出迎えてくれた。図版の上が右隻で下が左隻。もう昂奮しちゃって心がふわふわし視点が定まらない。
この絵の見どころはなんといっても波の描写、水の動きをとらえるのは大変難しいのに宗達は金地の海原にできる波の様子を胡粉を効果的に使いシャープにそしてリズミカルに描ききっている。波がまるで生き物のように踊り狂っているよう。
波頭の表現がとても立体的なのに対し、岩や松、洲浜は平坦な描写で模様をかたどったシールをペタッと貼ったような感じ。左隻の下のほうの黒い輪みたいなところが洲浜、そのまわりを波がうねるように渦巻いているのが印象的。静的な松や洲浜と風に吹かれてダイナミックに形を変化させる波のコントラストがじつに見事!
さらに進んだところに宗達の画風を受け継いだ‘松島図’が飾ってあった。お馴染みのボストン美にある尾形光琳(1658~1716)が描いた‘松島図’、そして初見の光琳に帰属するとみられる‘松島と富士’。宗達だけでなくこういう作品もどどっと出てくるのが回顧展の醍醐味。どれも食い入るようにしてみた。
最大の追っかけ画‘松島図’がみれて天にものぼるような気持ちだった。ミューズに感謝!