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アートに乾杯! ‘貴婦人と一角獣’には兎がいっぱい

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     タペスリー‘貴婦人と一角獣 視覚’(1500年頃 パリ クリュニー中世美)

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     ティツィアーノの‘うさぎの聖母’(1530年頃 パリ ルーヴル美)

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     デューラーの‘野兎’(1502年 ウィーン アルベルティーナ美)

今、国立新美でタピスリー‘貴婦人と一角獣’をみた感激の余韻にひたっている。これまで海外の美術館、宮殿、あるいは邸宅などでタピスリーを体験する機会は何回かあったが、夢中になってみたのはロンドンのヴィクトリア&アルバート美にあるラファエロが下絵を描いたものだけ。このMyタペスリーにあらたに‘貴婦人と一角獣’が加わった。

今回の展覧会に用意された図録は特別に出来がいい。そのなかでとくに興味深いのは詳細に解説されている千花文様(ミル・フルール)の花の数々と樹木、そして一角獣とライオン以外に登場する動物たち。タペスリーのなかには40種類の植物が描かれているそうだ。花の名前がなかなか覚えられなかったので、この図録はとても貴重。

動物で一番多くでてくるのが兎。7つのタペスリーに34回現れるのだそうだ。たしかに目につく。西洋絵画に長く親しんでいるが、兎がこんなに登場する作品はみたことがない。‘視覚’に描かれた兎が一番多く全部で8匹いる。兎のポーズは5つあり、これが繰り返し使われている。

兎がでてくる絵ですぐ思いつくのはルーヴルにあるティツィアーノ(1485~1576)が描いた‘兎の聖母’とデューラー(1471~1528)の‘野兎’くらい。でも、本物にはまだ縁がない。‘兎の聖母’は繁殖力のシンボルとかキリスト受難とか、復活を意味するものとして図像的な解釈がなされる兎をみるにはもってこいの作品だが、この絵は倉庫にあることが多いのでいまだに追っかけ画リストに残っている。次回のルーヴル訪問でみれるだろうか?

‘野兎’にはデューラーの半端ではない写実力の高さが存分に発揮されている。兎が目の前にいるよう。ウィーンへまた行くことがあったら、この絵を万難を排してみようと思っている。


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