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Channel: いづつやの文化記号
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ダ・ヴィンチの‘糸巻きの聖母’が来年1月やって来る!

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  ダ・ヴィンチの‘糸巻きの聖母’(1501年 スコットランド国立美)

どの展覧会にでかけるかは手元にあるだいたい1年先ぐらいの情報がもとになる。日ごろから関心を寄せていたり好きな画家の回顧展をみつけると心がはやるが、展示される作品の情報がないときはしばらくは仮置きの鑑賞計画となる。

来年1月、江戸東博で開催される‘レオナルド・ダ・ヴィンチ展’(1/16~4/10)はその仮の予定だった。ところが、昨日入ってきた情報によってチケットを事前に買うことを決めた。この展覧会の目玉となる作品はスコットランド国立美にある‘糸巻きの聖母’。

でも、この作品すぐ頭に浮かばない。その理由は数多くあるダ・ヴィンチの画集にこの絵があまり掲載されてないから。手元にあるもので載っているのは小学館から2007年にでた‘西洋絵画の巨匠 レオナルド・ダ・ヴィンチ’(池上英洋著)だけ。しかも、この本ではダ・ヴィンチの下絵にもとづく工房作という扱い。

ダ・ヴィンチやラファエロに強い池上氏の評価がオールマイティということではないが、こういうグレーゾーンの作品はダ・ヴィンチの手がどこまではいっているかについては研究者の間では意見が異なることが多い。当然のこととして作品を所蔵している個人や美術館はダ・ヴィンチの真作に近いということをいってくれる研究者や美術評論家を抱き込みダ・ヴィンチの作品としてPRし、ネガティブな意見には耳を貸さない。

メディア報道では‘糸巻きの聖母’は背景は後に別の画家が描き足したが、聖母マリアとイエスはダ・ヴィンチ自身が描いたということになっている。早く本物をみてみたい。ダ・ヴィンチは西洋絵画の世界では特別な存在、作品の数も少ないからちょっとでも本人の手がはいっているものなら見逃せない。開幕は半年先だが、楽しみがまたひとつ増えた。期待して待ちたい。


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