ウェッセルマンの‘浴槽コラージュ#2’(1963年 東京都現美)
海外旅行をしているとき、お金や物を盗まれるのは経済的また心理的に痛いことは痛い。でも、これよりもっと辛いのは旅行の途中で体調を崩したり、怪我をすること。幸いこれまで大ごとになるような体調トラブルに見舞われたことはない。でも、小さな怪我やちょっとした調子の悪さならあれこれある。
10年前、中央ヨーロッパを旅行した。10日間の団体ツアーに参加しベルリン、マイセン、ドレスデン、プラハ、ウィーン、ブダペストをまわった。このときどこのホテルだったかは忘れたが、浴槽で足をすべらして肩をしこたま打った。バスタブはウェッセルマン(1931~2004)の絵のような感じ。見慣れたものだが、長楕円的な底は卵の殻のように丸くなっているところがあるから、立ってシャワーを浴びたりする際は注意しないといけないのだが、なにかの拍子でバランスを崩しばたっと倒れた。
そのときは肩は痛かったが、まあ打撲だから持参してペタンシップを貼っておけばそのうち治るだろうと思っていた。旅行中もその痛みはそう気にはならなかった。ただ、毎日シップを貼ってもなかなか痛みが消えない。指で押さえるとまだ痛い。日本へ帰ってからもその状況は変わらなかったので1週間後病院へ行きレントゲン写真を撮った。すると肩のところにひびがはいっていた。
先生は`痛かったでしょう、それは災難でしたね’といわれたが、当人はそれほどでもなかったから`どうしたら治るのでしょうか?’と聞いた。すると`そのうち治るでしょう、あまり重いものをもったりしないでください’。1ヶ月ほどでもとに戻った。
1997年エジプトへ行ったとき最も気をつけていたのが水、現地の水を飲むのは200%NG、ホテルでも外のレストランでも口にするのはミネラルウォーターだけ。日程の前半はうまく乗り切り、カイロに戻ってきた。ところが最後の日、バザールを見学しているときにお腹がぐるぐるいいだした。憂欝な気分になったが、運がいいことによく話をしていた看護婦さんがいい薬をもっていて、そのお蔭で一回の苦痛ですんだ。
帰国後友人と酒を酌み交わし旅のみやげ話をしていたら、彼もロンドンに駐在していたときエジプトを訪れ同じ目にあったという。エジプト旅行をすればお腹ぐるぐるはつきものなのだろう。今も変わってないような気がするが、それとも大丈夫?