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Channel: いづつやの文化記号
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大入りの‘ボストン美浮世絵名品展 北斎’!

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Img_0001     ‘吉原遊郭の景’(部分 1811年)

Img     ‘菖蒲に鯉’(1808~13年)

Img_0002     ‘鵤 白粉花’(いかる おしろいのはな 1834年)

Img_0003     ‘稚遊挙三番続之内 石’(1823年)

ボストン美の浮世絵コレクション展はこれまで2008年(江戸東博)と2011年(山種美、千葉市美)であった、3回目は昨年末から名古屋、神戸、北九州で順次開催され、9/13からは上野の森美で行われている(11/9まで)。

10/23の美術館巡りのとき、国立新美から上野の森美へ移動しまず北斎をさらっとみようと思っていた。ところが、美術館に着くと大勢の人が列に並んでおり入館まで50分待ちの表示、ええー、こんなに待つの!これはまったく想定外、ここで2倍の時間をとられると夜の宴会までに予定の美術館へいけるかどうか心配になってきた。

待ち時間が長くても摺りのいい浮世絵が期待できるボストンのコレクションをみないわけにはいかない。なかに入ると今回展示されている140点のうち、これまでみた覚えのないものに鑑賞エネルギーを注ぎしゃきしゃきと進むことにした。

流石にボストンの浮世絵コレクションは質が高く、はじめてお目にかかるものがところどころで目の前に現れる。まず、目を見張らされたのが三枚続きのワイド画面に描かれた‘吉原遊郭の景’、こういう沢山女性たちを描いたものというと清長や歌麿が相場と決まっているが、北斎もしっかり描いていた。大収穫。

北斎の描く鯉の絵に大変魅了されているので、団扇に描かれた‘菖蒲に鯉’の前ではいい気分だった。世界でこの一枚しかないそうだから幸運なめぐりあわせになった。鯉はもう一枚あるが、みてのお楽しみ!

今回一番長くみていたのは花鳥画シリーズ、全部で16点でている。これほど多くみたのは2005年の北斎展(東博)以来のこと。一つの美術館でこれほど揃えられるのだからボストン美というのは本当にスゴイ。鳥でお気に入りなのが‘鵤 白粉花’(いかる おしろいのはな)、以前これを名古屋ボストン美でみてころっと参ったから再会できたこと腹の底から喜んでいる。色の鮮やかさが本当にすばらしい。

北斎の楽しみのひとつが摺物、最後のコーナーにずらずらと飾ってあったので目をこらしてみた。注目は金箔や銀箔が使われた豪華な摺物3点、初見の‘五歌仙’、‘朝比奈と月小夜’、そして一度みたことのある‘稚遊挙三番之内 石’。絵の前ではかがみこんで下からながめ光る金銀箔を確認した。こんな状態のいい摺物を日本で味わえるのははじめてかもしれない。ちょっと興奮した。


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