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Channel: いづつやの文化記号
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ミューズにとどけ追っかけ絵画! セガンチーニ

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Img_0003_20240619224801   

 ‘湖を渡るアヴェ・マリア’(1886年 セガンチーニ美)

Img_20240619224801    ‘アルプス三部作 生’(1896~99年 セガンチーニ美)

Img_0001_20240619224801    ‘自然’

Img_0002_20240619224801    ‘死’

北イタリア生まれの風景画家、セガンチーニ(1858~1899)がアル
プスの一日によって人の一生を象徴的に描いた三部作‘生’、‘自然’、‘死’をみる
ことを夢いている。この絵の存在を知ったのは1985年に放送されたTVの
美術番組‘名画の旅’(NHKのEテレ)。熱心にみていた番組だったから
ビデオ収録しその内容をメモに残している。映像の記憶はすっかり消えてい
るが、写真にしたビデオの一部が計画しているスイス美術館めぐりが実現し
たとき役に立つだろうと思っている。

三部作が飾ってあるのは観光保養都市をして有名なサンモリッツ(標高
1800m)に建てられたドーム型のセガンチーニ美術館。この街はジュネ
ーヴに住んでいた頃、イタリアへクルマで旅行したとき通過しただけで観光
目的で訪問したことはなかった。当時、美術鑑賞はルーヴルにでかける普通
の観光客と同じ程度に楽しむものだったから、セガンチーニという画家を知
る由もない。日本に帰って2年後くらいに件の美術番組でサンモリッツに
美術館があることはわかった。

セガンチーニに一層のめりこむきっかけとなったのが2011年に損保ジャパンで行われた回顧展。セガンチーニ美が所蔵する作品を中心に60点くらい出品された。目玉作品の‘アルプスの真昼’が200%目を楽しませてくれた。しかも、それまで最も感動した大原美にある同名の絵と一緒に並べてみせるという演出までしてくれた。一生忘れられないエポック的な絵画鑑賞になった。

倉敷の大原美ではじまったセガンチーニとのつきあいはウィーンのベルヴェデーレ宮で遭遇した象徴主義全開の作品‘悪しき母たち’によってさらにはじけ、日本での願ってもない回顧展へとつながっていった。最後に仕上げはあの‘アルプス三部作’と回顧展でみれなかった神秘的な雰囲気につつまれた‘湖を渡るアヴェ・マリア’。サンモリッツへなんとしても行きたい。


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