昨日行われたマリナーズ(ホーム)とヤンキースの試合ではもと楽天の同僚、岩隈とマー君の夢の対決は残念ながらヤンキースの事情で実現しなかった。そのため、今日はマー君の登板が気楽にみれた。
相変わらずマー君の投球内容がいい。9回まで投げたからまた完封勝利かなと思ったが、1死後主砲のカノーにセンターへ2点ホームランを食らい2度目の完封はならなかった。本人は反省しきりのようだったが、8回までの投球はもう完璧、堂々たるピッチングだった。
いつも感心するのが立ち上がり、力みがなくスピードを抑えて狙ったコースへ投げ込んでくる。マリナーズの打者は追い込まれると決め球のスプリットがくるから早めにバットを振ってくる。でも、マー君の球はそう簡単に打てるコースには投げてこないからヒットにならない。だから、ポンポンとアウトがとれる。そして球数も少ない。
日本で投げていたときとのちがいは三振やスリーアウトをとったとき大声で吠えないこと。鋭く落ちるスプリットで三振にとってその回を終わらせたときは静かにマウンドを降りて自軍のダッグアウトに戻っていく。このスタイルが大リーグ新人のマー君にはとてもいいのだと思う。
マー君は顔は怖い顔をしているが心はやさしくまじめで謙虚な人間だから、元来は感情を過剰に高ぶらせて投げるタイプの投手ではないのだが、楽天では三振をとったあと吠えるのがトレードマークのようになっていた。ところが、大リーグでこれをやるとバッターから恨みを買う。だから、人間性のいいマー君はそういうことはしない。
吠えて感情を高ぶらせることがない分、かえって自分のピッチングを冷静に分析でき打たれたときでもすぐ投球内容を変え連打を未然に防止する。冷静なピッチングスタイルが本来の強みであるコントロールのよさを一層ひきだし安定した投球を生んでいる。もしこれに狂いが生じるとしたら体力面の疲れとか怪我からくるもの。
マー君に懸念材料があるとしたらこの体力的な心配だけ。うまく体調管理をすれば、20勝にとどくかもしれない。とにかく今は順調すぎるほど順調。みてて惚れ惚れするようなピッチング、本当にすばらしい。