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‘ニコラース・ルッツの肖像’(1631年 フリックコレクション)
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‘布地組合の見本鑑査官たち’(1662年 アムステルダム国立美)
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‘修道士に扮するティトゥス’(1662年 アムステルダム国立美)
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‘マリア・トリップの肖像’(1639年 アムステルダム国立美)
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‘マルハレーテ・デ・ヘールの肖像’(1661年 ナショナルギャラリー)
NYにあるフリックコレクションは人気の画家、フェルメールを3点所蔵し
ているから、フェルメールファンにとっては是非とも足を運びたい邸宅美
術館かもしれない。ここがすごいのはレンブラントもいいのを3点所蔵し
ていること。堂々とした自画像と‘ポーランドの騎手’、そしてアムステルダ
ムで活躍した商人ニコラース・ルッツの肖像。まるで人物の息吹を感じさ
せる見事な肖像画である。この商人につい‘儲かってますか?’と声をかけた
くなる。
アムステルダム国立美をこれまで運よく3度縁があった。2011年に
訪問したときはレンブラントは全部で12点飾ってあった。お目当ての
‘夜警’で感動の袋は大きく膨らむが、ほかにも傑作が次々でてくるからさら
に感動の量が増え、もう袋が破れそうになる。その一枚が集団肖像画の
‘布地組合の見本鑑査官たち’。人物の配置が絶妙でもっとも気になるのが
左からふたり目の鑑査官で、立ち上がろうとして腰を浮かせている。誰か
が来たのだろうか。映画のワンシーンをみているよう。こういうさりげな
い瞬間をドラマのようにみせるのがレンブラント流。
レンブラントが描いた息子の絵は3点お目にかかったが、‘修道士に扮する
ティトゥス’は映画監督レンブラントが息子を俳優にして修道士物語を撮っ
ているようなもの。ティトゥスはなかなかのイケメンだから、いい作品に
仕上がっている。これとみるといつもションコネリーが主演した映画‘薔薇
の名前’を思い出す。
女性の肖像画ではひときわ目を引くレースの細密描写が印象深い‘マリア・
トリップの肖像’が忘れられない。こんなに感動する女性の肖像画はそうは
ない。そして、ロンドンのナショナルギャラリーにある年老いた‘マルハレ
ーテ・デ・ヘールの肖像’にも惹きこまれる。なかなか会えなかったが、
2016年日本であった特別展で遭遇した。