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ズームアップ 名画の響き合い! 1889年

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     ゴッホの‘アルルのゴッホの寝室’(パリ オルセー美)

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     ゴッホの‘ルーラン夫人’(シカゴ美)

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     ロートレックの‘赤毛の女’(オルセー美)

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 サージェントの‘マクベス夫人役のエレン・テリー’(テートブリテン)

ゴッホ(1853~1890)は一度描いた絵をまた描くことがあった。‘アルルのゴッホの寝室’はアムステルダム美にある原画のほかにレプリカが2点ある。ほかのモチーフでは有名なひまわりはアルルで全部で7点も描いている。

こういう絵が並ぶとどれが一番いいのかちょっと迷う。ところが、絵をじっくりみると出来映えにはやはり差がある。みる人の好みにもよるが、最初に描かれたものが一番よく描けているというわけでもなく、これを模写したレプリカのほうが魅力あるものに仕上がっていることもある。

‘アルルのゴッホの寝室’の場合、原画(アムステルダム美)より耳切事件の後サンレミで制作したオルセー美蔵のものに惹かれている。4点ある‘ルーラン夫人’についても、原画(ボストン美)のあとにできあがったシカゴ美蔵がお気に入り。幸運にも4点全部みることができたが、目の描写が最もいいのがシカゴにあるもの。

この絵を11年前損保ジャパン美でみた瞬間からゴッホの人物画の最高傑作に位置付けている。2番目に好きな原画は嬉しいことにもうすこしするとボストン美の作品で構成される‘ジャポニスム展’(世田谷美)にやって来る。再会が楽しみ。

女性を描いた作品のなかには顔をみせずこちらに背中をみせているものがあるが、このタイプの絵は昔からダメ。だが、例外が1点だけある。ロートレック(1864~1901)の描いた‘赤毛の女’、日本の展覧会でもお目にかかったが、オルセーではじめてみたとき、無性に惹かれた。娼婦が足を大きく広げて座る姿には生の現実感があり、MY好きな風俗画に即登録した。

サージェント(1857~1925)の女性肖像画をみていると特別に気持ちが高ぶる。理由は絵がとても大きいから。昨年訪問したワシントンのコーコランギャラリーでもすばらしい肖像画があった。

この圧倒的な魅力をもった女性と最初に遭遇したのはテートブリテン、ここに飾ってあった‘マクベス夫人に扮するエレン・テリー’には度肝を抜かれた。その美しい衣装、端正な顔立ち、立ち尽くしてみていた。


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